富岡町勢要覧 -004/026page
いくつもの時を越え、伝えられた古の心
闇に踊る篝火、豊作祈願の勇壮な夏祭り
[麓山神社の火祭り]
麓山神社は、往古、未開のこの地に猛獣毒蛇が多く、人畜に被害を及ぼしたのを憂い、神を祭りその加護によって難を免れたといういわれがあります。
毎年八月十五日の夜に行われる麓山の火祭りは、五穀豊穣を願う神事として数百年も続く伝統行事。神殿の火を二メートルを越える松明に移し、鉢巻に足袋、白パンツ姿の裸の若衆が山頂まで一気に駆け上がる勇壮な祭りです。
この地に生きた先人の願い込めた神々の杜
[子安観音]
大同年間、徳一大師の開基と伝 えられ、いわき市の赤井岳薬師寺、 医王山波立寺とともに浜通りの霊 場として名を馳せています。観音 像は楠木の彫刻で、目は水晶の美 しい輝きに光り、古くから安産、子 育ての神として数々の功徳がある と伝えられています。
[二十三観音]
弘仁二年、徳一大師によって祭られる岩井戸観音は、保応寺境内の約三十メートルの断崖の中腹に岩屋を掘り、その中に西国三十三観音の写しとして、三十三体の像が安置されています。