ならはの絵馬−村人の祈り−-013/036page

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5.記 念 図

 記念図は特別の行事や個人が褒賞を受けたときを記念として奉納したものである。特に地域社会にかか わるものは大絵馬で奉納されていて、その思いがあらわれている。

長寿会図(1)
20.長寿会図(1) 明治21年(1888)    上小塙 木戸八幡神社(目録11)
 大絵馬で額縁は黒漆が冷られ、銅の飾り金具で装飾されている。11が手前の敬老会の写生画で二面一組になっている。右側の この一面には来賓と主催の席に郡長・戸長・郡警察署長・小堀尋常小学校長らが、長寿者への記念品授与式を始めようとして いる姿を克明に描いている。昭和38年に「老人福祉法制定」・昭和41年「敬老の日制定」からみて、明治時代のこの行事はとても 意義のあるものである。

長寿会図(2)
21.長寿会図(2)明治21年(1888)     上小塙 木戸八幡神社(目録12)
 老人席のこの絵は、緋毛氈に長寿者が並んで座り、99歳から80収までの高齢者が順次記念の杖を受けるところを克明に描く。 該当者は氏子の範囲と推定される。役人は散髪しているのに対し、男性はちょんまげ姿で、女性は帯が前に結んである。二面 の絵馬から当時の様子がうかがえる。絵師鈴木寿山。


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