ならはの絵馬−村人の祈り−-020/036page

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9.小 謡 額

 喜多流下掛りとは能楽からきたもので、江戸時代に喜多七太夫長能という人によって始められた仕手方 (能狂言の主人公の役)の謡の流儀のことである。中でも祝儀の謡は小謡といわれ明治になって師匠の出 現で庶民に受け継がれてきた。お正月に謡をあげ身体堅固・五穀豊饒を願い奉納した。

小謡習慣人名額
32.小謡習慣人名額(鼠と小判図)明治[]年     上小塙 木戸八幡神社(目録8)  農家の正月休みはながいので、その期間を利用して教授の家で謡を習った。習得した喜びと一年の身体堅固・五穀豊饒を祈 願した。

小謡習慣人名額
33.小謡習慣人名額(大かめ図)明治41年(1908)   井出 竜田神社(目録2)  教授と井出浜青年ら門人の奉納で、酒が人っていると思われる大きなかめの前で「豊年」の文字入りの盃と扇子で舞ってい るように見える絵柄から、五穀豊饒祈願と思われる。素朴な描き方は素人絵にも見える。


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