わたしたちの郷土楢葉町 楢葉町小学校社会科教師用資料 - 034/110page
1.4月下旬〜5月上旬沿岸から川に溯上する。
2.川に溯った鮎は石に付生するケイソウ(も類)をなめて育つ。ケイソウは2日位で数cmに成長するので、1匹の鮎が育つにはこのケイソウの着いた石が数個で足りると言われている。
3.然し近年山林の伐採により洪水と土泥の流入によって、このケイソウが充分成育しなくなったため、年々鮎の餌が不足し成長を妨げている。
4.この為、木戸川では遠く滋賀県の琵琶湖から鮎の稚魚を買入れて放流し漸く現況を保っている。昭和55年は5月中旬に150kg(4万尾)を買い入れ放流した。
D 鮭の習性を生かした人口ふ化
鮭は北洋で沢山捕れますが、近年世界各国特にソ連・カナダ・米国は資源保護のため漁獲量を制限している。このため日本では北海道・東北の河川で人口ふ化放流して、その量を増大して大切な食糧資源を増やそうとしている。
木戸川で放流した稚鮭は、遥か北洋5万キロの旅をして、3〜5年で母なる木戸川に帰ってくる。この間に稚魚は鳥や魚類に食べられて母川に戻りつく数は1000匹のうち3〜4匹にすぎない。
では、どうやって帰って来るのだろうか。
放流されると川の水を飲みながら川のニオイを覚えます。そして帰る時は、太陽の位置などで大きく方向を判断し、寒流に乗って南下し、ニオイによって生まれた川に溯ると言われている。
昭和55年11月に木戸川では250匹の鮭についてウロコ検査をして年令を調べた。
それによると、60%が4年生で、20%が5年生、残り20%が2〜3年生でした。回帰が早いのは稚魚の餌付けによって成熟が早まるのか、種類なのか、異変なのか、謎とされている。