広野町勢要覧 -029/031page
東北に春を告げるまち
「東北に春をつげる町」をキャッチフレーズとしている広野町は、 みかんの花咲く温暖な気候です。昭和六〇年にみかんの苗木を全戸に 配布し、みかんを栽培しています。東北といえば、寒い、暗いという イメージがありますが、北緯三七度、太平洋に面していて冬の平均気温が 10度を越えることなどから、たわわに実ったみかんが町内いたるところで 見かけられます。
町民がみかんの苗木を植えて数年後にみごとに実ったことが、苗木全戸 配付のきっかけとなりました。当時のエピソ−ドとして、ミカン産地の人々 に町の職員が苗木の買付けに行った時、「東北地方」ということで半信半疑 まま苗木を分けてくれたということです。冬はワラで冬囲をしながら各家庭で 大切に育てられたみかんの木は、現在大粒の実をつけるまでに成長しました。 みかんの花咲く実りの丘の実現に向けて、町では同時期に役場の南西、海の 見える高台約30アールの敷地にみかん畑を作り、ここに植えられた苗木も すくすくと育ち、冬期間の頃にはオレンジ色の鮮やかな実をつけます。毎年11月には町内の園児などにより、ミカン狩りが行われ、おいしいみかんに頬を 赤らめています。