須賀川市立博物館図録　俳諧摺　下 -084/100page

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75　孫の成長を悦ふ

 　 　
　　孫の成長を悦ふ 　 　
喰さかり育盛りの 岩代 壮山
　　　　　雑煮かな 　 　
　　御　題 　 　
仰き見る御代の 米子 聴水
　　　光や恵方山 　 　
万才やかた身広うに舞諷（うた）ふ 　 桂秋
幾千とせゆるかぬ山やはつ日の出 　 其静
蓬文字にむかうて広きこゝろ哉 　 藤園
初日かけ千代経し松を昇けり 　 吐月
しらむ空柳に見えて啼雀 　 厓竹
初とりや燈明あふつ臼のうへ 　 北叟
門松やいつくの山の千代のたね 　 公美
うつむけは踏て居るなり蕗の薹 　 無腸
柳から春へさそうやものゝ色 　 支仙
　　　　丙申　とし 　 　
　 　 　

76　新年摺

 　 　
　（上段） 　 　
（紙魚による虫害及び擦れにより 　 　
　判読が出来ないため省略） 　 　
　（中段） 　 　
はつ明り海山出来て人の声 須磨 露城
天の戸を開きて来ることしかな 　 多米
箒目の又あたらしき二日かな 　 梅應
いかめしき構となりぬ門かさり 　 霽甫
海山に届て広しはつ日かけ 　 吟谷
着衣（きそ）はしめ分に過るとおもひけり 　 綾子
ちる花や里見下して小半道 　 壷月
春の雪遊ふ種にもなりに鳧（けり） 近江 九峰
うくひすや我花笠は旅笠 　 流芳
さしかへし炉縁に梅のしつくかな 伊勢 梅有
門松やさゝくる御代のはしら建 紀伊 松年
あさ風は寒しされとも梅日和 　 吟圃
門々やひらめく旗も年の花 　 琴涯
年愛て松も静やはつ日の出 播磨 銑花
綾の袖帯にはさみて小松引 　 笠雅
雪のいろ若葉のいろに古ひけり 　 竹舞
島山の雪かくとしの朝日かな 阿波 士徳
屠蘇の酔人にも愛たかられけり 　 南薫
餅花やほかけ墨画の金屏風 　 如風
雪もふむ心は老す屠蘇きけん 　 菖淡
ほうらいや先つき初る扇挟 　 雲雪
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つむゆきにまかし今年は明に鳧 　 藁眈
はつ暦嫁とる家へかられけり 　 蒼波
雪つむや果のはて迄君か春 　 杏洲
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我も人も心のことし迎ふ年 　 半醉
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