須賀川市立博物館図録 俳諧摺 下 -093/100page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

84 松島句碑一覧

   
松嶋御嶋之圖(□囲み)    
芭蕉翁 朝よさを誰まつしまそ片心    
 右延享四丁卯十月十二日仙文字冬至菴建    
一道江心渡文字虹 蒼松千里鬱空濛    
安禅亭畔苔成褥 坐文字青螺萬文字    
 宝暦丙子仲夏日 長崎 春菴
磯千鳥飛石つたひ千賀の浦    
 宝暦丙子冬浪華木田萬翁之文塚    
朝きりや跡より恋の千松しま    
 明和戊子秋 雪中菴 蓼太
松島やしくれしくれのいくところ    
 安永五申年 蒼々舎 文鱗
松島や茸狩舟の真帆片帆    
鶴とひてむれるや雪の千松しま    
 天明二壬寅正月 六花菴 官鼠
松島や閼伽(あか)をたゝえて鳴千鳥    
 天明壬寅仲冬二日 月亭 雪守
雪に富むやまつ島々の幾なかめ    
 寛政三己亥十月 流石菴 羽積
松しまやその日その日の空の笑み    
 寛政八丙辰首夏今日菴社中   立砂
世の中の富貴は暑し山と水    
 享和三癸亥春   耳社翁
松しまに月も風もふゆの光かな   山形
笠捨て是は是はの秋も暮   萬橘
松島や鶴に身をかれほとゝきす   曽良
松しまやみつよつくれて鐘氷る   鯨丈
夏痩も愈(いえ)たり朝の千松しま   文聴
松島の松を植てよ塩竈(しおがま)の    
 浦の烟(けむり)となりししるみに   奥細道
天下有山水 各檀一方美 衆美文字文字    
洌天下山水 松嶋山主 牧舟叟誌    
陽炎の何所から出たか芝の上   梅賀
春秋のはなもみちより朝夕に    
 けしきのかはるまつ島のうら   真砂
君か代のかさりものなり千松しま   兎溪
我たつるけふりはひとの秋のくれ   文字
  天保十一庚子 季秋建    
 右御嶌松吟菴の側にあり    
     
五太堂之圖(□囲み)    
松島や果はかなしく夕詠(なが)め   文字
千代やすむまつしましまのかんこ鳥    
 寛政二庚戌歳五月日   巨山
早おとめのしらぬ田植や干松島    
 寛政八丙辰五月七日   松吟
世の中の桜おもはす干松島    
 寛政十一己末三月   春蟻
松しまや月の夕くれ日の出潮   元夢
日のくれぬひはなけれともあきの暮    
 文化十四丁丑三月   士郎
松風はたねんのはしよ子文字(ほととぎす)   尊三
覺祖高文字文略文政三庚辰春   稱法寺
松島雪月記文略文政十二己丑冬   秀山
秋知らぬ島は緑の月夜かな   何丸
泊り泊り苦に成雪の松島や   龍石
波間より今一入(ひとしお)の色まして    
 千代のさかへを松島の春   之在
人とわは何とこたへん松島や    
 おしまの磯の秋の夕くれ   國得
松島や暗を戻して水明り   梅腸
 天保七申八月    
膝抱はひさへ来にけり秋の暮   江左
晴てよき島は時雨も亦奇なり   日觀
 右五太堂の内にあり    
  干時嘉永二屠維作文字仲秋新板 千葉則行著 印

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は須賀川市立博物館に帰属します。
須賀川市立博物館の許諾を受けて福島県教育委員会が加工・掲載しています。