吉田冨三記念館だよりNo.7号 -002/016page

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富永健哉

「記念館だより」第7号の発刊にあたり 富永健哉理事長(浅川町長)

2002年、明けましておめでとうございます。
 財団法人浅川町吉田富三顕彰会は設立10年目になりました。
 設立以来、財団の事業推進に当り、日本癌学会の先生方を始め、関係機関並びに町民の皆様、その他多くの方々の温かい御支援を賜りましたことを心より感謝しております。
 事業内容の項目は例年と同じですが、その内容は質の高いものでした。
 その内容は、国立がんセンターのがん予防研究部(班長 若林敬二先生)の先生方が『ヒトがん発生に係わる環境要因及び感受性要因に関する研究』について、平成13年6月8日〜9日の2日間、吉田富三記念館研修室で開催されたことです。
 健康教室講演会も、5月12日には第9回吉田富三賞受賞者小林博先生の講演会を開催しましたが会場に溢れる参加者で盛会な講演会となりました。
 企画展は鈴木範子さんの御協力で、「中国少数民族刺繍展」を開催しました。
 又、県内の小学生の科学教育の進展を願い、「吉田富三子ども科学賞」が平成13年度で第8回になりました。この賞は、福島県小学校教育研究会理科部会の御協力と御支援をいただいております。
 特に、13年度『吉田富三賞』制定10周年を迎えましたことは関係者にとっては大きな喜びです。「吉田富三賞10周年記念誌」を刊行いたします。
 以上、吉田富三記念館を中心としました吉田富三博士の顕彰事業の概要を申し上げましたが、今後の顕彰事業の推進発展のために御指導と御支援をお願いいたします。
 特に賛助会員の皆様には心から御礼を申し上げますとともに、賛助会員の増大にも御支援をお願いいたします。特に今年度は高額の御寄付があり感謝いたしております。
 又、第3回『吉田富三賞』受賞者の豊島久真男先生が文化勲章を受章されました。心から御祝い申し上げます。第1回受賞者の杉村隆先生は、1978(昭和53)に文化勲章を受章されています。
 最後に記念館情報の刊行に御指導と御協力をいただきました、関係機関の諸先生、事務局の大竹博美さんに御礼を申し上げまして私の御挨拶といたします。

内田宗寿

記念館の発展と顕彰会事業の推進を願って  内田宗寿記念館館長(常任理事)

 2002年を迎えられた皆様には益々御健勝のことと御喜びを申し上げます。
 財団法人浅川町吉田富三顕彰会も順調に諸事業を推進しておりますが、これは浅川町の皆様を始め、日本癌学会の先生方と、諸関係機関の皆様の御支援によるものと心から感謝いたしております。
 私は記念館の運営について、癌研究の先駆者吉田富三博士の偉業の継承と、地域の人たちの文化センターとしても活用できるようにしたいと考えています。
 偉業の継承としましては、癌学会の先生方の学術会議の開催などに活用していただくこと。その意味では平成13年6月8目〜9日の2日間、国立がんセンターの「がん予防研究部」(班長若林敬二先生)の学会が開催されましたことは、記念館にとりましては嬉しいことでした。参加者の中には、北は北海道大学から南は琉球大学までの先生もおられたとのことで、記念館の評価が高くなるものと思います。
 平成14年度も先生方の御来館を期待しております。
 文化センターとしての活用は、小学生・中学生・高校生の課外学習の場に活用していただくことや、絵画・書道・写真・その他の展示会にも御利用いただくことを願っています。
 平成13年度にも町内の小学生、中学生の課外学習での来館がありましたが、生徒たちは皆、吉田富三博士の偉大さを理解したと思います。来館後何人かの生徒が記念館に手紙をよこしてくれました。
 次に、「吉田富三賞」 が制定されて10周年を迎えました。受賞者は国立がんセンター研究所客員研究員の関谷剛男先生が選ばれました。受賞記念講演会は平成14年2月8日に開催いたしました。
 又、福島県の小学生を対象とした『吉田富三子ども科学賞』は第8回になり、県内の小学校の先生や生徒の皆様から評価されるようになってきました。嬉しいことです。
 私は、顕彰事業の推進と吉田富三記念館の発展のために努力したいと考えています。
 そのためには、日本癌学会、癌研究所、関係機関の先生、浅川町民の皆様の御指導と御支援を御願い申し上げなければなりません。よろしく御願いいたします。
 それから第3回吉田富三賞受賞者の豊島久真男先生が文化勲章を受章されました。心からお祝いを申し上げます。なお、第1回受賞者の杉村隆先生も昭和53年に文化勲章を受章されております。  私たちの吉田富三顕彰会と吉田富三記念館が日本を代表する先生方の御指導と御支援を頂いていますことは、記念館と顕彰事業の発展のために大きな力になります。
 私たちはそれらの方々の御期待に応えるために力を尽くしたいと考えております。

表紙について

表紙  シロネズミの碑

「アゾ色素肝癌、吉田肉腫、腹水肝癌などの研究に手にかけてその命を絶ちたるシロネズミの数知れず、不有会員はみな心の奥にシロネズミのあの赤い眼の色を抱く。モルモット、ウサギ、ハツカネズミそのほか鳥の類まで手にかけたる命への思ひは同じ。ふと現はれてまた消え行きたるこれらの物言はぬ生類の幻の命も命に変わりあるべしとは思へず、あれは生ある者の命よと念じて此碑を建つ」

 シロネズミの碑は、癌研究のためにギセイになった多くの小動物の供養のために昭和48年9月に 建てられた。
 発案者は吉田富三博士夫人で、資金は博士のお弟子さんたちの「不有会」で拠出した。
 碑は東京駒込の吉祥寺の吉田富三博士お墓の隣に建っている。


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吉田冨三記念館の許諾を受けて福島県教育委員会が加工・掲載しています。