吉田冨三記念館だよりNo.7号 -013/016page

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探究心、そして、地球との共生を求めて
〜吉田富三子ども科学賞・受賞を祝して〜

羽川 昌廣先生
福島県小学校教育研究会理科研究部長
(郡山市立三代小学校長) 羽川 昌廣

 「第八回吉田富三子ども科学賞」の受賞の栄誉を手にされたみなさん、同特別賞を受けられた石川地区のみなさん、ほんとうにおめでとうございます。中には五年続けて自分たちのまわりにある自然事象に向き合い、自然界の営みを観察し続けた大研究も含まれています。『分子の右と左を作り分ける』……………多種多様な分子の左右の構造を酵素や微生物に頼らず、人工的な不斉合成法の創出は科学者の二十世紀最大の夢であった。世界で初めて「分子触媒による不斉合成反応」の原理を発見し、白川英樹博士に続いて「ノーベル化学賞」に輝いた野依良治博士の業績は、私たち日本人の大きな誇りです。野依良治博士は、身の回りにある物を鏡にうつった『鏡像』のもとの形である『実像』との違いに着目し、科学的な発想を広げ『分子の右と左を作り分ける』ことを人工的にできるのではないかという考えにたどり着いた。と受賞の喜びを伝える紙 面のエピソードに記されています。それは、博士の想像を絶する努力と忍耐と探究心の結果もたらされたものです。みなさんの生きる地球は、人間の経済活動の結果さまざまな問題をはらんできています。地球温暖化や小生物の生態の関係等、身近な環境を見つめる科学的な目を一人一人持つことは、未来永劫、地球環境と共生しながら人類が生き永らえるために私たちに課せられた責務です。両博士に続くみなさんの大きな志を期待し、受賞のお祝いの言葉といたします。

七弦琴(中国古代楽器)の調べを開演

七弦琴(中国古代楽器)の調べを開演

開催日時/平成13年11月11日(日)(午後1時30分より)
開催場所/当館研修室

七弦琴は中国古来の楽器として宮廷で愛され、日本にも渡来しました。七弦琴は琴柱(ことじ)を使わずに、13個の勘所を目印に弦を左指で押さえ、右手で弾く楽器です。この日、会場には、飛田立史(ひだたつし)さんをお招きし、「七弦琴の調べ」が開催されました。飛田立史さんは古琴の楽聖と称えられた菅平湖氏に師事し、さらに上海音楽学院研究所に留学、林友仁氏に師事。北京放送の「民族音楽の調べ」等で古琴の紹介や演奏会を開いた高名な方です。会場には、遥かな昔、お隣り中国・盛唐の世に李白や杜甫が活躍した時代絵を思わせるような調べが奏され、誰もが癒しや慈しみの琴線に触れた思いがしました。

苗族の刺繍画展開催

苗族の刺繍画展開催

開催日時/平成13年11月10日(土)〜11月18日(日)
開催場所/当館研修室

会場には目の覚めるような刺繍画の数々。中国・苗族の伝説を題材にした色鮮やかな刺繍画が展示され、素朴ながらも丁寧に作られた見事な手ざしの感触は、訪れた人に感銘を与えました。展示物は、50年ほど前のお祭りの時に飾られる刺繍幔幕「神帳」やトン族の刺繍「頭飾り」、苗族・?族・漢族等の刺繍。その色使いと構図のすばらしさには、中国地方の民族色が感じられ、好評を博しました。


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