機関誌第6号「AMFNEWS」 -006/007page
▲フキノトウとフクジュソウ
Petasites japonicus Adonis amurensis植えられて間もない彼らが無事に冬を越すことができたか心配でした。
しかし2月にはあちこちでフキノトウが顔を出し、3月に入ってからはやわらかい銀毛につつまれたネコヤナギの花穂や、キクザキイチリンソウのつぼみもふくらみ始めています。
そして落ち葉のかげでは、フクジュソウが黄金色の花を見せてくれました。
アイヌの伝説では、この花は、父神が選んだモグラの神との結婚を拒んだために、野に咲く花に変えられてしまった、女神クナウの化身といわれています。きびしい冬を耐え、やわらかい春の日ざしの中で輝くように咲くフクジュソウの花。アイヌの人々はそんな姿から、女神の声が聴こえたのかもしれません。(飼育展示課 安田 純)
TOPICS 4 ボランティアの新しい仲間
▲新規ボランティア研修
Study and training for volunteersjoining newly to AQUAMARIN FUKUSHIMAアクアマリンふくしまボランティアに、新しい仲間が加わりました。
昨年12月から今年の1月まで、ボランティア募集を行い、60人の方が応募してくださいました。
この方たちは、2月と3月に実施した研修を受け、3月下旬に面談し、ボランティアとして登録しました。
4月からいよいよ、現在活動しているボランティアの皆さんと一緒に活動を開始します。
特に、活動者が不足気味な土曜日・日曜日の活動を希望してくださる方がいれば…と、毎日のまとめ役をしているボランティア総務部会の方たちは希望しています。
また、現在活動しているボランティアの皆さんも、3月中には登録の更新をすませ、活動意欲も充実、新しい仲間との活動に向けて、態勢を整えています。
13年度にはボランティアも、いよいよ会組織として運営されます。
これまで以上の活躍が楽しみです。(学習交流課 大石 幹人)
世界の水族館情報
モナコ海洋博物館(Oceanographic Museum Monaco)
モナコ海洋博物館のあるモナコ公国は、皇居の約2倍程度の小さな立憲君主国で、現在は1950年に即位したレニエ3世が統治しています。
国全体がヨーロッパをモチーフにしたテーマパークのようなこの国の中、モナコ海洋博物館は、地中海に臨む岬の高台の上に建ち、高さ85mのテラスから、岩上に錨をおろしたようなたたずまいを見せています。モナコ海洋博物館は、1910年に当時の君主アルベール1世によって11年の歳月と11万トンの石を使って建てられたもので、外観、内装ともにヨーロッパの伝統的な博物館のイメージにぴったりの装いとなっています。
建物の中は、1・2階が博物館になっており、アルベール公が自ら集めたといわれるクジラの骨格標本やペンギンの剥製をはじめとする標本類、観測船の模型、海産物でつくられた工芸品などが展示してあります。
水族館は地下にあり、淡水、地中海、大西洋、熱帯水域の4つのコーナーで構成されています。それぞれの水槽には、擬態や防御といったテーマが設けられ、自然界と同じ生態系バランスとなるよう配慮した展示となっています。また、昨年の11月に開催された第5回世界水族館会議に合わせ、熱帯魚の大水槽(a giant tropical aquarium)が新設され、展示水量400トンの水槽の中に、生きた各種のサンゴやシュモクザメをはじめ、東南アジアやインド洋などで集めた熱帯性の生物が展示されています。
館長のドゥマンジュ氏は、奥さんが日本人という親日家、伝統に育まれた研究成果や技術力をもっており、当館としても何かしらの形で連携を図っていきたい水族館の一つです。(学習交流課 古川 健)
▲博物館の収蔵物
the museum collections