福島県水産試験場研究報告 第10号 - 019/073page
漁船を有している相馬原釜漁協の水揚げ統計を用い、沖底での水揚げ魚種のうち、主に水深100m以浅で漁獲される魚種(沿岸種)と水深100m以深で漁獲される魚種(沖合種)との水揚げ金額の比率を、1987〜2000年について求めた。抽出した魚種は表2の48魚種であり、48魚種の水揚げ金額は相馬原釜漁協底びき網水揚げ金額の92〜98%を占めていた。
実質水揚げ金額の推移
「県統計」から、1969〜1999年の各年の沖底・小底の水揚げ金額を求め、価額を統一するために国民経済計算年報(経済企画庁編)の国内総支出デフレーターにより、1997年価額に換算した。
表2 相馬原釜漁協底びき網の「沿岸」・「沖合」別抽出魚種
結 果
操業隻数の推移
沖底と当県小底の漁労体数の推移を表3に示す。
全国の沖底の漁労体数は1955年以降継続して減少傾向にあり、1998年には1955年の23%にまで減少していた。太平洋北区でも同様に18%に減少し、うち宮城、福島、茨城の3県合計の数字も18%に減少していた。
1955年以降の期間を、1975年までの20年間とそれ以降の23年間に分けてみると、全国の沖底では前半の20年間に41%に減少し、その後の23年問でさらにその56%となっていた。太平洋北区では前半に24%に減少し、後半にはその75%となっていた。宮城、福島、茨城の3県合計では前半に19%に減少し、後半にはその96%と殆ど減少しておらず、特に1985年から1989年にかけては、逆に福島で48隻の増加、宮城で5隻の増加がみられた。なお同じ期間の当県小底の漁労