福島県水産試験場研究報告 第10号 - 024/073page

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に低下し、1974年、1975年には0.5を下回った。その後、およそ0.5〜0.7の間で増減していたが、近年徐々に増加し0.8を超え、1969〜1971年と同様に競合が著しくなっているものと思われた。

 相馬原釜漁協底びき網における「沿岸種」と「沖合種」の水揚げ金額の比率を図5に示す。

 1990年までは「沿岸種」の比率が高かったが、その後「沖合種」の比率が増加し、近年では「沖合種」の比率の方が高くなっていた。

図4  図5

 実質水揚げ金額の推移

 当県底びき網漁業の実質水揚げ金額の推移を図6に示す。

図6

 沖底・小底合計の実質水揚げ金額は、1969〜1979年には増加していた。しかし、それ以降沖底と小底の比率が大きく変化したものの、沖底・小底合計実質水揚げ金額は長期にわたり減少傾向が継続し、近年では高水準時の50〜60%に低下していた。

 考  察

 漁獲努力量の推移

 底びき網漁業は、古くから漁獲強度の高い漁業と認識され、乱獲防止のための対策として減船が実施されてきた1)。漁労体数の減少は、減船と漁業経営悪化による休・廃業の結果であると思われる。

 底魚資源に対する漁獲努力量は、沖底のみでなく小底等の底魚対象漁業の総漁獲努力量として判断する必要がある。一例として、当県の1985年から1989年にかけての沖底漁労体数の増加は、小底から沖底への転換があったものであり、小底の漁労体数が減少して、実質的にはこの間に急激な漁獲努力量の増加があったものではない。しかし、底魚対象漁業の中で最も漁獲強


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