福島県水産試験場研究報告 第10号 - 032/073page
放流年級と各年魚の相関
県計、木戸川、請戸川の各放流稚魚年級群の回帰年魚別来遊尾数等の実績値を表3に示す。ほぼ現有施設(2000年現在)で稚魚生産が開始したのは、県計と木戸川では1983年、請戸川は1980年からであった。このことより、県計と木戸川の1982年以前のデータは、今回の相関比較データに含めなかった。これらの年魚別来遊尾数について回帰率一定のまま、平均放流尾数(以後、基準放流尾数と称する。)換算の推定来遊尾数を表4に示す。
この県計、木戸川および請戸川の各推定来遊尾数を年魚間別に相関をみた結果を表5に示す。また、表1で福島県と来遊変動の相関が最も高かった岩手県について、前述の換算手法で1983年〜1993年の放流年級群別の年魚別来遊尾数から求めた回帰年魚間の相関を表6に示す。また、福島県の相関の高かった年魚間の来遊尾数の関係を図2(その他の各年魚間相関図は付図掲載)に示す。
県計では、4年魚と2〜6年魚、3年魚と2〜6年魚、3年魚と4年魚、2年魚と4年魚、2年魚と2〜6年魚、5年魚と2〜6年魚、3年魚と5年魚の間に有意な正の相関が認められた。
木戸川は、4年魚と2〜6年魚、5年魚と6年魚、3年魚と2〜6年魚の間に有意な正の相関が認められた。
請戸川は、4年魚と2〜6年魚、3年魚と2〜6年魚、5年魚と2〜6年魚、3年魚と4年魚、3年魚と5年魚、4年魚と5年魚の間に正の有意な相関が認められた。
岩手県は、4年魚と2〜6年魚、3年魚と2〜6年魚、2年魚と3年魚、3年魚と4年魚、5年魚と2〜6年魚の間に有意な正の相関が認められた。
各年魚間の相関で、3年魚および4年魚と2〜6年魚の問の相関が高かった理由は、回帰年魚組成割合が3年魚で約25%、4年魚で約50%を占めていることにある。