福島県水産試験場研究報告 第10号 - 052/073page

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 1998〜2000年の湿重量測定時に抽出したアミ類の種査定と計数を行い、アミ類個体数全体に占めるミツクリハマアミ(Acanthomysis mitsukurii )の個体数比率を算出した。

結   果

 アミ類密度

 全ての調査の月別、水深帯別アミ類密度を表1に、5〜9月の年別、水深帯別アミ類密度を図2に示す。1995〜2000年の6ヵ年を通して5〜9月にアミ類密度が高くなった。また、3水深帯では浅い水深帯ほどアミ類密度が高くなる傾向がみられた。

 ミツクリハマアミ個体数比率

 1998〜2000年の月別、水深帯別のアミ類査定結果をそれぞれ表2〜4に示す。ミツクリハマアミの個体数比率は全体的に高く、ほとんどの調査で90%以上であった。2000年には水深10m、15m帯を中心にミツクリハマアミ個体数比率が低い月があった。

考   察

 アミ類密度変動の特徴

 調査結果からアミ類密度が最高となる時期は5〜9月の範囲となった。従って、アミ類密度のピークを迎える時期は年によって変動すると思われる。ただし、本報告における調査は5〜9月が中心であったため、それ以外の月のアミ類密度についてはデータが十分でないことを考慮すべきである。水深5〜15m帯の範囲でみたアミ類密度は浅い水深帯ほど高いこと、季節的なアミ類密度の変動は大きいことから、アミ類は5〜15mの水深帯に広く分布し、5〜9月に水深5m帯付近で分布密度を増加させていると考えられる。

 月別、水深帯別のミツクリハマアミ個体数比率

 ほとんどの調査結果でミツクリハマアミ個体数比率が80%以上を占めており、今回の調査海域に分布するアミ類の大部分がミツクリハマアミであると考えられた。当県沿岸における以前の調査でミツクリハマアミは1989年に96.9%9)、1990年に84〜97%10)を占め、1991年に優占種11)と報告されており、他にもミツクリハマアミは本州太平洋側沿岸の外洋性砂浜域のほぼ全

表1


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