平成13年度 事業報告書 - 016/171page
平成12年級群が中心となった(表3)。平成13年級群の漁獲加入は平成13年11月であった。
調査市場ごとの漁獲量および漁獲尾数を表2に示す。さし網が中心となっている市場(新地、原釜さし網、鹿島、請戸)では6月から8月にかけて漁獲量が多く、底びき網が中心となっている市場(原釜底びき、久之浜、四倉、小名浜、勿来)では9月から10月にかけて漁獲量が多かった。
放流魚の回収率は平成10年級群以前は8%以上であったが、平成11年級群はこれまでで最も回収状況が悪く、最終的に7%を下回ると考えられた(表4)。
漁獲量は平成9年の698tから減少し続けていたが、平成13年は平成12年を若干上回った(表5)。しかし平均単価は平成8年以降では最も低かったため、漁獲金額は平成12年より約9,000万円下回り、平成9年の半分以下であった。
(2) 精密測定調査
購入したヒラメにおいて、重度の貧血症を呈している個体はみられなかった。鰓の色はほとんどの個体でAまたはBであり、正常な状態であった。Cであったのは久之浜で購入したものでは0、勿来で購入したものでは3個体、四倉で購入したものでは1個体であり、D〜Fを呈したものはみられなかった。市場調査でも重度の貧血症を呈したヒラメを確認することはなかったため、現時点では貧血症は深刻な問題ではないと考えられる。一方、ネオヘテロボツリウムの寄生は天然魚、放流魚に関係なく多くのヒラメで認められ、購入した個体についても咽頭部や口腔壁において寄生を確認した(表6)。咽頭部に寄生のあったヒラメは購入した60個体(久之浜の購入を除く)のうち19個体、口腔壁に寄生のあったヒラメは7個体であった。
参 考 文 献
1)福島県水産試験場:福島県におけるヒラメ市場調査結果資料集(1988年9月〜1999年8月)、(2000).
2)渡邉昌人・安岡真司:福島県水産試験場平成12年度事業報告書、(2001).