平成13年度 事業報告書 - 057/171page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

V 複合的資源管理型漁業推進調査

1 操業実態調査

山廼邉昭文

目     的

 ヤナギムシガレイは本県底びき網漁業の重要な漁獲対象種となっているが、本種は、国が策定作業を進めている資源回復計画において、本県が属する太平洋北部海域における対象魚種のひとつとして、底びき網漁業の漁獲努力量の管理による資源の維持回復方策についての検討がなされている。そのため、その漁獲実態を明らかにするため、過去に得られたデータをもとに資源診断を行った。

方     法

 計算の基礎となる資料には、平成10年2月から平成11年6月までの沖合底びき網による水揚げ物の精密測定結果を用い、加入量当たり漁獲量(YPR)及び加入量当たり産卵資源量(SPR)の2つの方法によって資源診断を行った。

 表1に平成10年2月から平成11年1月までの1年間の年齢査定結果から得た年齢組成を示した。これをもとに平均年齢法により全減少係数を算出し、ヤナギムシガレイの最大年齢を10歳と仮定して田中の方法(2.5/寿命)により算出した自然死亡係数との差から漁獲係数を計算した。

 成長式、体長−体重関係式は島村・五十嵐(2000)を用い、漁獲量は平成10年の沖合底びき網及び小型底びき網の漁獲量257.9t、加入量は一定とした。

 計算に用いた資源特性値を表2に示した。解析にはKAFSモデルを使用した。

結     果

(1) 漁獲係数の算出

 表1の年齢組成から、2歳魚の水揚げ尾数が最も多く、それ以降は減少する傾向がみられた。平成10年のヤナギムシガレイの漁獲量は高位で安定していたことから、資源が平衡状態にあったと仮定し、完全に漁獲加入する年齢を2歳として全減少係数を算出した。その結果、全減少係数は1.304と計算された。自然死亡係数が0.250と計算されたことから、漁獲係数は1.054と計算された。

(2) 加入量当たり漁獲量(YPR)

 図1に等漁獲量曲線図を示した。底びき網によるヤナギムシガレイは1歳の9月頃から漁獲され、平成10年における漁獲量は現状点が示すとおり約260tであるが、漁獲開始年齢を1歳引き上げることで350t程度の漁獲量が得られることが示された。一方で、漁獲開始年齢を変化させず漁獲係数のみを引き下げても漁獲量は大きく増加しない。

(3) 加入量当たり産卵量(SPR)

 図2に等産卵資源量曲線図を示した。平成10年の底びき網による漁獲状況では、漁獲が行われていないとき産卵資源量を100%とした場合の8%の産卵資源量しか確保されていないと推定


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は福島県水産試験場に帰属します。
福島県水産試験場の許諾を受けて福島県教育委員会が加工・掲載しています。