平成13年度 事業報告書 - 087/171page
V 沿岸漁海況調査事業
早乙女忠弘・水野拓治・藤田恒雄
根本昌宏・八巻憲治・小野安芳目 的
本県沿岸、沖合の海況及び漁況を調査し、その結果を広報することにより、漁業資源の合理的利用と操業の効率化を図る。
方 法
(1) 沿岸定線海洋観測調査
毎月1回、以下の調査を行った。
ア 調査船及び調査実施月
いわき丸:159トン、1,500馬力(平成13年4月〜12月、平成14年2月、3月)
拓水:30トン、1,000馬力(平成14年1月)イ 調査定線、定点
調査定線、定点を図1に示す。沿岸定線での海洋観測は、塩屋埼、富岡、鵜ノ尾埼の3定線について、142°30´Eまでの1定線につき9定点、計27定点で実施した。拓水では、142°Eまでの各7定点、計21定点とした。沖合定線での海洋観測は、142°30´〜145°Eまでの沖合に30´間隔で新たに5定点を設定し、1定線14定点とした。ただし、富岡定線については、145°Eの1定点のみ追加し、10定点とした。定線別の観測実施月は、沿岸定線が平成13年4月、9月、12月、平成14年1月〜3月、沖合定線が平成12年5月〜8月、10月、11月とした。
観測深度(指定層)は、いわき丸では、表面、10、20、30、50、75、100、125、150、200、250、300、400、500、600、700、800、900、1,000mとした。拓水では、表面、10、20、30、50、75、100、125、150、200、250、300、400mとした。ウ 調査項目
CTD(いわき丸:SBE911plus、拓水:SBE19、シーバード社製)による各水深の水温・塩分ADCP(いわき丸:CI-35、拓水:CI-60G、古野電気製)による5m、50m、100m深の潮流LNPネット、新丸稚ネットによる生物採集並びに透明度、海上気象等を調査項目とした。(2) 漁海況情報調査
本県海域及び近県海域の漁海況情報を調査・収集し、整理した上で毎週1回金曜日に漁海況速報として発行した。また、福島県水産試験場ホームページにも随時掲載した。
(3) 潮流・水温データを用いた流況解析(海洋構造変動パターン解析技術開発試験事業)
海洋観測で収集した100m深のADCP潮流データ、水温を用い、本県沿岸の流況解析を行った。
結 果
(1) 海洋観測調査
計画どおり沿岸定線、沖合定線の海洋観測を12回実施した。詳細については海洋観測結果(月