平成13年度 事業報告書 - 088/171page

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報)等で報告済みなので、ここでは本年度の海況経過の特徴を述べ、併せて、表1、図2に水温の平年偏差の推移を示す。

ア 平成13年4月上旬は、平成13年1月下旬〜3月にみられたごく低温水の波及が継続したが、中旬以降には解消し、代わって黒潮系北上暖水の勢力が強勢となり、5月には高め〜極めて高めとなった。6月は依然として黒潮系北上暖水が強勢であったが、勢力の中心はやや沖合寄りとなり、本県沿岸への波及は弱まった。

イ 平成13年7月〜8月は、黒潮系暖水が沖合で強く、いわき海域を中心に高めとなったが、相双海域では親潮系冷水が南下して平年並み〜やや低めとなった。9月も引き続き沖合に黒潮系暖水の波及がみられたが、親潮系冷水がいわき沿岸まで南下しやや低めとなった。

ウ 平成13年10月は、沖合からの暖水波及が弱まり、代わって親潮系冷水の南下が強まったため、50海里以内の沿岸でやや低め〜低めとなった。しかし、親潮系冷水の南下は一時的で、11月〜12月には再び黒潮系暖水の勢力が強まって沿岸部まで波及したため、高め〜極めて高めとなった。

エ 平成14年1月は、引き続き黒潮系暖水の勢力が強く、いわき海域を中心に高め〜極めて高めとなった。2月は、沿岸寄りの北上暖水が弱まったために平年並み〜やや低めとなったものの、3月は沖合からの黒潮系暖水の波及(暖水塊)が強まったため、30海里以東の沖合で高めとなった。

(2) 漁海況情報調査

 漁海況速報については、計49回発行した。
 ホームページでの公開は、漁海況速報を週1回、人工衛星水温画像・長期漁海況予報を随時、海洋観測結果(沿岸水温の推移)・定地水温情報を月1回の頻度で、それぞれ掲載・更新した。

(3) 潮流・水温データを用いた流況解析(海洋構造変動パターン解析技術開発試験事業)

 詳細については、海洋構造変動パターン解析技術開発試験事業第2回検討委員会(平成13年2月15日、於:福島県いわき市)資料を別途印刷する予定なので、ここでは要約のみを記載する。

ア 解析には、平成12年1月〜12月ならびに平成13年1月〜12月のADCP100m深流向・流速データ及びCTD観測100m深水温データのうち、東経142°30'以西の沿岸定線データを用いた。解析方法は、5℃、10℃、15℃、20℃の等温線で区切られた各領域について、10分移動平均ADCPデータの南北成分の向きが変わらない領域に分割し、その領域の平均流向・流速を計算し、模式図を各月毎に作成した。水温で分割した各水塊は、5℃未満を親潮水、5〜9℃を親潮系冷水、10〜14℃を黒潮系暖水(冷)、15℃〜19℃を黒潮系暖水(暖)、20℃以上を黒潮水に区分して対応させた。

イ 平成12年1月〜6月は、概ね親潮系の南下流に覆われた。142°E以内は概ね親潮系冷水が分布し、1kt〜1.5kt程度で南〜南西方向の流れとなっていた。親潮水は1月及び4〜6月の東経142°付近から2kt以上の流速で南下していた。平成12年7月〜12月は、7〜9月に一時的な親潮系冷水の南下がみられたが、10月以降は黒潮系暖水(冷)に覆われた。また、親潮系冷水が分布する場合、黒潮系暖水はそれより沿岸側に分布することが多く、1kt〜1.5kt程度の南下流であった。

ウ 平成13年1月〜6月は、2〜4月までは親潮勢力が強かったものの、5〜6月は黒潮勢力が強くなり、これらを反映した水 塊分布となった。2〜4月の親潮水及び親潮系冷水は、1kt程度の南下成分を持ち、本県沿岸を広く覆っていた。5〜6月は、黒潮系暖水(暖)が東経142°付近まで分布し、2〜3kt以上の強い北上流であった。それより沿岸部は、黒潮系暖水(冷)〜親潮系冷水が分布し、1kt程度の南下成分を持っていた。

エ 平成13年7月〜12月は、1月〜6月と同様、黒潮と親潮勢力が入れ替わる複雑な海況となった。
 7月〜8月は黒潮系暖水(冷)に覆われ、142°N以東は北上流、それより沿岸では弱い南下流であった。9〜10月は東経142°以東より親潮系冷水が南下し、1kt程度の流れであったが、それより沿岸では黒潮系暖水(冷)の南下流がみられた。11月以降は再び黒潮勢力が強くなったた


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