平成13年度 事業報告書 - 111/171page
V 水産流通加工調査研究
1 未・低利用魚貝類利用加工試験
藤田恒雄・下園榮昭・根本昌宏
目 的
県内に水揚げされる利用度の低い漁獲物について、加工向け利用の可能性を検討し、資源の有効利用を図る。
方 法
前年度まで、いわき丸のトロール調査で比較的まとまって漁獲され、かつ、魚体が大きく、利用度の低い魚種について、採肉率、一般成分、水揚げ後の鮮度変化を調査したほか、文献調査を行ったが、前年度事業報告書で報告できなかったギスについて記す。
結 果
ギスは、カライワシ目、ソトイワシ科の魚で「魚の辞典」東京堂出版によれば、北海道から土佐沖までの太平洋岸に広く分布し、仙台、三崎などでは大量に漁獲される。生息水深は200m以上の深海で50cmに達する。蒲鉾の材料として珍重され、上等品であるとされている。
小名浜ではダボギスと呼ばれており、産地市場へ水揚げされている。一般成分分析結果等は下表のとおりだった。
表 ギスの一般成分分析結果、採肉率(%)
水分 脂質 タンパク質 灰分 皮付きフィレ歩留まり 77.0 5.2 16.6 1.2 57