平成13年度 事業報告書 - 135/171page

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T 貝類毒化調査

佐々木恵一・藤田恒雄

目     的

 本県沿岸域のアサリ、ホッキガイ、ムラサキイガイにおける、毒化状況と貝毒原因プランクトンの出現状況を定期的に調べ、貝類毒化対策と貝類毒化予知手法の開発に役立てる。
 なお詳細については平成13年度赤潮貝毒監視事業報告として刊行しているので、ここでは概要のみを示す。

方     法

(1) 貝類毒化状況調査

 アサリ、ムラサキイガイ、ホッキガイの麻痺性貝毒と下痢性貝毒を検査した。
 アサリは松川浦の川口前で採取したものを4〜9月および3月にかけて、ムラサキイガイは4〜9月および3月に小名浜港で、ホッキガイは5月〜8月にかけて請戸沖で採取したものを検体とした。

(2) 貝毒原因プランクトン出現状況調査

 各地点とも採水した1lの海水中のAlexandrium spp.とDinophysis. sppの個体数を計数した。松川浦湾口部では平成13年3月〜9月にかけて、小名浜港では平成13年4月〜9月および平成14年3月、鵜ノ尾埼沖合定線は4月〜9月にかけて採水を行い貝毒原因プランクトンの計数を行った。

結     果

(1) 貝類毒化状況調査

 アサリ、ムラサキイガイ、ホッキガイとも年間を通して貝毒は検出されなかった。

(2) 貝毒原因プランクトン出現状況調査

 松川浦湾口部では、下痢性貝毒の原因であるDinophysis属のプランクトン、麻痺性貝毒の原因プランクトンであるAlexandrium属とも通年確認されなかった。

 小名浜港内では4月2日、5月7日に採取したサンプルから、それぞれAlexandrium属のプランクトン40個体/lを確認した。Dinophysis属は確認されなかった。

 鵜ノ尾埼のサンプルからはAlexandrium属が4月に最高で80個体/lの発生を確認した。5月にも20個体/l確認出来たサンプルがあった。その後は全く見られず、期間を通して全体的に少ない。Dinophysis属は9月までの調査期間を通して見られたが、全体的に発生数量は少なく、最も多かったサンプルでも120個体/lであった。


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