平成13年度 事業報告書 - 136/171page

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U 水産資源保護対策事業(ホッキガイ)

 1 保護水面調査

加藤 靖

目     的

 保護水面及びその周辺海域である共同漁業権漁場共第22号(以下22号区)、共同漁業権漁場共第23号(以下23号区)の資源動向と平成13年発生のホッキガイ稚貝の出現状況を把握する。

方     法

 平成13年12月に、操業に使用する貝桁網に目合い16oの内網を取り付け調査を実施した。調査点は全36地点で、1地点当たり10m曳網し(採捕面積は10u)、採取した生物はホッキガイとその他の生物に分け、ホッキガイは計数後殻長を測定し、その他の生物は分類後計数のみを行った。

結     果

 詳細については「ホッキガイ保護水面調査報告書」に掲載を予定しているので、ここでは要約のみを述べる。

・採捕したホッキガイの主群は平成6年級群で、平成10年、11年発生群が若干確認され、平成13年発生したと思われる稚貝も3個体確認された。確認場所は22・23号区境の岸寄り、22号区北側の沖、保護水面の北西角で、大きさは19.9〜28. 5oであった。

・平成13年度の調査結果からホッキガイの総資源量は9.8千トン、殻長80o以上の個体を漁獲対象資源とすると22号区、23号区合わせて6.3千トンと推定された。

・平成6年級群の平均殻長は85.0oで、昭和53〜58年年級群の成長から求めた成長式の計算値と比較して約16o小さかった。

・漁場全体の殻長80o以上の個数密度は、平成6〜9年までは1個/uを下回っていたが、平成6年級群が漁獲サイズになりはじめた平成10年から高くなり、平成10〜11年に約3個/u、平成12年に約5個/uとなり、平成13年は約4個/uとなった。80o未満の個体は、平成6年には大量発生のため45.8個/uあったが、平成7年以降目立った発生がないため徐々に減少して平成13年には約2個/uとなった。

・漁場全体の殻長80o以上の重量密度は、平成9年まで0.11s/uでほとんど変らなかったが、平成10年には0. 41s/uと高くなり、平成13年には0.67s/uと平成6年の約6倍に増加した。80o未満の重量密度は、平成6年に0.08s/uであったものが、6年級群の成長で高くなり、平成12年に0.85kg/uと平成6年の10倍以上になったが、平成13年の調査では0.16s/uに減少した。


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