平成13年度 事業報告書 - 163/171page

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Z 藻場・干潟環境保全調査

加藤靖・石井孝幸・佐々木恵一

目     的

 松川浦のアサリの発生状況・成長・生残、人工種苗の中間育成・放流後の成長を過去の調査結果と比較することで、松川浦の変化を把握するとともにアサリを指標とした干潟の環境と漁場適性について評価を行う。

方     法

(1) 文献調査

既存の文献を整理する。

(2) 環境調査

ア. 水質調査
 湾口部の水温、塩分(土日・祝祭日を除いて毎日)と浦内4地点で透明度、水温、塩分量、溶存酸素量(1回/月)を測定する。

イ. 底質調査
 稚貝の発生・成長調査地点の粒度組成、底質COD、硫化物を測定する。

(3) 稚貝の発生・成長調査

 アサリの主漁場である瀬方漁場を中心に13地点を選定し、年4回25cm×25cmの枠取りでアサリを採取し、稚貝の発生状況とその成長を調査する。

(4) 人工種苗の成長調査

 水産種苗研究所で生産・中間育成されたアサリ稚貝に標識を付け、川口前、揚汐に干潮時に放流し、4カ月ごとに放流したアサリを枠取りで採取して成長と残存率を調査する。

結     果

 平成13年度藻場・干潟環境保全調査報告書に掲載を予定しているので、ここでは要約のみを述べる。

(1) 文献調査

・福島県が発行している水質年報から、松川浦の流入河川の環境について考察した。
・松川浦のノリ・アサリの生産量変動について、環境との関係を比較検討した。
・アサリの発生状況について、過去のデータを整理した。
・松川浦のアサリの資源分布及び推定資源量について整理した。
・松川浦での過去におけるアサリの放流調査実施地点のデータを整理した。

(2) 環境調査

ア 水質調査
 水温、塩分量、溶存酸素量、透明度とも湾奥部で変動が大きい傾向がある。干満による外海水の影響が大きいところは環境的に安定しているが、湾奥部に行くほど干満の影響は少なく、降雨や気温変動などの影響を受けやすいので、結果として大きな変動をもたらし


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福島県水産試験場の許諾を受けて福島県教育委員会が加工・掲載しています。