平成13年度 事業報告書 - 164/171page

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ていると考えられた。

イ 底質調査
 COD・水分含有量・強熱減量は宇多川河口周辺で高い傾向にあるが、これは河川からもたらされる枯葉などを中心とした有機物の影響であると考えられる。粒度組成では、宇多川河口域では粒径の小さいものを多く含む傾向が見られ、湾口部付近では、粒径の大きいものを多く含む傾向が見られた。

 アサリ稚貝の発生が多い地点では、少ない地点と比較してCOD、水分含有量、強熱減量が低く、粒度組成では粒径が大きなものの占める割合が高い傾向が見られた。

(3) 稚貝の発生・成長調査

 調査は、平成13年4月、6月、10月、平成14年2月に実施した。稚貝の発生量は、昨年同様湾口部に近い漁場及び1号水路沿いの漁場に多い傾向があり、瀬方漁場の中央部と大三澪側は少なかった。

 稚貝の成長は、発生量が多い地点でも次の調査時には個数が大きく減少していたため、把握できなかった。

(4) 人工種苗の成長調査

 平成12年11月13日に川口前と揚汐に放流した種苗の継続調査を平成13年5月、8月、10月に実施した。アサリの成長は揚汐の方が良かった。放流した両地点とも放流前からアサリの現存量が多かったため、放流貝の成長のみで漁場の生産力の差を比較することはできなかったが、揚汐の方がアサリの現存量が多いにもかかわらず放流貝の成長も良かったことから、揚汐の方が生産力が高い可能性があると思われた。

 残存率は、揚汐の放流地点の目印が5月調査時点でなくなっていたため、放流地点が特定できず川口前と比較はできなかった。


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