福島県長期総合教育計画41/4-000-01/330page

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福島県教育委員会教育長 折笠与四郎

わたくしは、昭和39年8月県教育長に就任して以来、「県民
の期待にこたえる教育県」をつくるためには、教育の実情を正
しく認識することが大切であると考えまして、まず、へき地教
育の実態をたしかめることを手始めに、県内各地をたずね、関
係者の御意見を身近かにきいて参りました。
 その結果、本県教育進展のためには、解決しなければならな
い数多くの問題が山積していることを身をもって認識したので
あります。これらは、臨時的な措置や短期間に解決される問題
ではなく、長期的、総合的な見通しのもとに、計画的に誠意をもって努力すべきものと痛感いたしま
した。そして長期総合教育計画策定について、着々準備を進めておったのであります。
 時あたかも、福島県総合開発審議会は、県知事の諮問を受けて、産業開発と県民福祉の向上を目的
とした県勢振興計画の策定を開始し、教育部門もその一翼を担うこととなりました。
 昭和40年12月福島県総合開発審議会の答申を経て、昭和50年度を目標年度とする福島県勢振興計画
ができあがりました。
 しかし、県勢振興計画の教育部門計画は、その策定の時期において、目標年度における県勢分析の
資料が乏しかったこと、この計画が施設計画に重点をおかれていたこと血どの事情と教育行政の特質
にかんがみて、県勢振興計画の教育部門計画を補完する必要が、つよく要請されて参りました。この
要請に応えるとともに、県勢振興計画の趣旨を教育行政施策に具体化するため、県民生活の変ぼうが
教育に要請する課題を展望し、これに対応する長期総合教育計画を策定することにいたしました。
 県教育庁内部に設けられた長期総合教育計画策定委員会を中心に各課あげてこれにあたり、約半年
の策定作業を終えて、福島県長期総合教育計画がこのほどできあがり、計画書を公表する運びとなっ
たわけであります。
 わたくしは、この計画を今後の教育行政運営の基本として、積極的に勇気をもってその実施にあた
る所存であります。  しかし、この計画の実施にあたっては、多くの困難が予想されるところであり、単に県の力のみで
は、目標を達成し得るものではありません。国、県、市町村、民間が一体となって、その推進にあた
ってこそ、はじめて所期の目的が達せられるものと信じ、あらためて関係各位の御理解と御協力をお
願い申しあげるしだいであります。
 最後に、この計画の策定にあたり、御懇切なる御指導を賜わりました東京大学教授清水義弘先生に
対し、深甚なる謝意を表します。また審議会の委員の方々、御指導、御協力をいただいた関係各機関
の方々に対し厚く御託を印しあげ、かさねて今後の御指導、御協力をお願いして序といたします。
  昭和41年4月
             福島県教育委員会教育長 折笠与四郎

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