第2次福島県長期総合教育計画(昭和53年度〜昭和60年度)-000-01/285page
序
昭和52年4月県教育長に就任以来,私は,教育・文化に対する県民の要請にこたえるため,
その実情を正しく認識することに努めてまいりました。
その結果,本県教育・文化の発展を期するためには,解決しなければならない多くの問題が
あることを身をもって認識したのであります。
これらは,いずれも臨時的措置や短期間に解決される問題ではなく,長期的,総合的な見通
しのもとに,計画的な教育行政の推進によって,はじめて解決されるものと痛感いたしました。
また,県では,福島県総合開発審議会が知事の諮問を受けて,福島県長期総合計画の策定を
開始し,教育部門もその一翼を担うこととなりました。
そして,昭和52年12月福島県総合開発審議会の答申を経て,昭和60年度を目標年度とする福
島県長期総合計画ができあがったのであります。
しかし,福島県長期総合計画の教育部門については,教育行政の特質から,これを補完する
計画の必要が要請され,これに応ずるとともに,福島県長期総合計画の趣旨を教育行政施策に
具体化するため,県民意識の変化が教育・文化に要請する課題を展望し,これに対応する第2
次福島県長期総合教育計画を策定することにいたしました。
県教育庁内部に設置された第2次福島県長期総合教育計画策定専門委員会を中心に各課室あ
げてこれにあたり,また第2次福島県長期総合教育計画策定に関する会議において各委員の御
意見を聴取し,約1年間の策定作業を終えて,第2次福島県長期総合教育計画ができあがり,
計画書を公表する運びとなったわけであります。
私は,この計画を今後の教育行政運営の基本として,その実施にあたり,本県教育・文化の
発展を期する所存であります。
しかし,この計画の実施にあたっては,多くの困難が予想されるところであり,単に県の力
のみでは,目標を達成し得るものではありません。国,県,市町村が一体となって,その推進
にあたってこそ,はじめて所期の目的が達せられるものと信じ,あらためて関係各位の御理解
と御協力をお願い申し上げるしだいであります。
また,今次計画の策定にあたりまして,終始惜しみない御指導を賜った東京工業大学新井郁
男助教授,国立教育研究所第二研究部第一研究室菊池城司室長をはじめ,策定に関する会議の
委員各位,県並びに市町村関係各位に厚く御礼申し上げます。
昭和53年3月
福島県教育委員会教育長 邊 見 榮之助