第3次福島県長期総合教育計画(昭和60年度〜昭和70年度)-002/181page

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4 計画策定の視点

 教育の究極の目的は,「人格の完成をめざし,平和的な国家及び社会の形成者として,真理と正義を愛し,個人の価値をたっとび,勤労と責任を重んじ,虜主的精神に充ちた心身ともに健康な国民の育成」にある。まさに,教育は人格の完成を目指すものであり・人間は教育を通じてその資質・能力を伸ばし,主体的紅成長・発達していくものである。

しかしながら,現代の社会における人間を取り巻く環境の変化に伴い,主体としての人間の在り方が問われ,教育の果たす役割の重要性がますます強く認識されるに至っている。このような状況の中で教育がその機能を十分発揮して,優れた人格の完成を目指すためには,社会の各領域の教育機能の充実とそれらの春機的な連携強化を図るとともに,豊かな文化的環境の醸成が必要となっている。

この現状を踏まえ,予測される社会・経済の特徴的な変化及び峯面する課題に対して,この計画は,次の視点に立って策定するものである。

1 豊かな人間性をもつ県民の育成

 現代の社会における,物質的豊かさのみを追求する風潮,価値観の多様化などの中で,社会の各領域における教育は,必ずしもその機能を十分発揮し得ない状況にある。

このため,地人に対する思いやりの心,社会の一員としての連帯感並びに郷土意識の希薄化などに見られるように,人々の豊かな人間形成が阻害されている。特に,青少年の人間形成に種々のゆがみが生じ,問題行動が増加するとともに,その低年齢化の傾向が見られる。次代を担う青少年のこうした状況は,我が国の将来にとって憂慮すべき事態となっている。

したがって,学校教育を中心に知・徳・体の調和のとれた,豊かな人間形成に更に努めることが課題である。そのために,家庭,学校,地域社会の教育機能の強化と連携及び郷土教育の充実を図るとともに,生涯の各時期における発達課題を達成できるような教育環境づくりが重要である。さらに,人間性豊か塗青少年の育成を図るための総合的施策をより積極的に推進することが必要である。

2 充実した学習社会の実現

 我が国における科学技術の進歩や経済の発展は,技術革新や産業構造の変化をもたらすとともに,社会の情報化や都市化を推し進めている。このように変化の激しい社会にあって,人々は新しい知識・技術の習得や主体的な情報選択能力のかん養,都市生活への適応など種々の対応を迫られている。


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