第3次福島県長期総合教育計画(昭和60年度〜昭和70年度)-003/181page

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一方,近年における経済成長の結果,所得水準は逐年向上し,また,家事労働の軽減や職場における労働時間の短縮などに伴い,自由時間が増大している。

こうしたことから,県民が自己の充実や生活の向上を目指し,教育的,文化的に多様で高度な欲求を増大させ,適切かつ豊かな学習機会を求めるようになっている。

したがって,生涯教育の観点から教育全般を見直すとともに,特に,急激で広範な技術革新に伴う情報化社会の進展に対応しながら,充実した学習社会の実現を図る方策を講ずることが必要である。

3 高齢化社会への適切な対応

 我が国の老年人口比率は,出生率の低下や平均寿命の伸長によって,昭和55年の9.1%から昭和70年には13.6%に達するものと推計され,急速に高齢化が進行するものと予想される。本県においても,昭和55年の10.5%から昭和70年には15.9%に達するものと推計され,特に,農山村部を中心に全国平均よりも先行した形で高齢化が進行するものと予想される。

このような人口構造の高齢化は,単に高齢者の福祉問題だけでなく,高齢者の社会参加,生きがいなどの問題を提起しており,社会に対して極めて大きな影響を与えることは明らかである。

したがって,高齢化の進行の著しい社会において,活力ある県民生活を推進するために,高齢者に対する社会教育を充実するとともに,高齢者の豊かな知識・技能・経験を生かした社会参加の機会を積極的に拡充する方策を講ずることが必要である。また,世代間交流を促進して相互の理解を深め,敬老の精神を培うとともに,県民一人一人が高齢期を控えてその生き方を自ら考え,それに対して備えることが重要である。

4 地域性豊かな文化の創造

 我が国においては,急速な経済成長によって国民の生活水準は向上し,物質的生活の豊かさは一応達成されつつあるが,一面において心の豊かさを求めて文化的欲求が高まっている。

本県においても,物質的な豊かさが増し,また,教育水準が向上するにつれて,県民が精神的な豊かさを強く求めるようになり,文化に対する関心を高め,昭和50年代に入ってからの文化振興のための施策の進展とあいまって,県民の文化活動はかってなく活発化している。また,本県は豊かな風土を背景に地域ごとに特色ある歴史と文化を形成してきたが,こうした伝統的な文化を継承する活動も盛んになってきている。

したがって,郷土の歴史や文化に対する理解を深めるとともに,その継承を図るための方策を更に充実する必要がある。また,文化活動が地域社会の形成に深くかかわっていることを踏まえ,行政全体が文化的環境の醸成に努めるとともに,より豊かな文化の創造を目指して,地域に根ざした文化活動を更に発展させる必要がある。


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