第3次福島県長期総合教育計画(昭和60年度〜昭和70年度)-023/181page
教育時間について検討する必要がある。
2)指導内容
幼稚園では,幼稚園教育要領に示されている6領域の各事項を幼児の心身の発達に即して組織し,総合的な活動を通して指導している。
しかし,6領域と小学校低学年の教科を同一視する傾向が見られる。また,家庭及び社会環境の変化や各園の実態に即した望ましい経験や活動の選択が十分考慮されているとは言えない。
したがって,今後は,幼稚園教育要領の改訂の動向を見極めながら,幼児が興味をもって参加できる具体的で総合的な経験や活動の選択に努める必要がある。
3)指導計画
幼稚園の指導計画作成状況を見ると,長期間,短期間の指導計画とも,ほとんどの幼稚園で作成している。しかし,長期間の指導計画は市町村単位等の地域カリキュラムを使用している園が多く,園の実態に合わない計画が見られる。また,短期間の指導計画は,ねらいが不明確なものや経験や活動の羅列にとどまるなど,不十分なものも見られる。
したがって,今後は,幼稚園教育要領の改訂の動向を見極めながら,園や地域の実態を考慮し,指導のねらいを明確にした具体的な指導計画を作成するよう指導する必要がある。
(3) 指導方法
各園においては,園内研修や地区研修を通して指導法の改善に努めている。
しかし,指導訪問や研究会等で見ると,集団を単位とした指導に重点を置く傾向が強く,自由遊びの時間の指導等への配慮が不足している。
また,幼児の生活経験に即し,その興味や欲求を生かした総合的な指導を行う幼稚園教育の特質が正しく理解されていない面があり,実践にも多くの問題が残されている。
したがって,今後は,幼児の心身の発達の実態に応じて適切な環境を与え,生活経験に即した総合的な指導に更に努める必要がある。
(4) 評価
幼稚園では,情意的な目標が多いことから,評価が観察法によって行われることが多い。そのため,主観に流れやすく,漠然とした反省等になりがちで,指導計画や指導方法の改善に役立つ評価とはなっていない。
したがって,今後は,効果的な指導を行うため,評価の方法,評価結果の活用等について研究を深めていく必要がある。