第3次福島県長期総合教育計画(昭和60年度〜昭和70年度)-049/181page
況の的確な診断に努めるとともに,国際社会の中で信頼と尊敬を得る日本人の育成をも志向するなど,社会の変化や時代の要請に対応していく必要がある。
(2) 教育課程
1) 年間授業時数,年間授業日数
毎年実施している教育課程実施状況調査によると,年間授業時数はすべての学校が学校教育法施行規則に示されている標準時数を上回り,年間授業日数も240日以上を確保している。
今後とも,標準授業時数及び適正な授業日数の維持に努める必要がある。
2) 各教科,道徳,特別活動の指導計画
各教科,道徳,特別活動の年間指導計画は,ほとんどの学校で作成されている。そのうち,各教科の年間指導計画は,多くの地域で地域カリキュラムに基づいた綿密な指導計画を作成している学校が多い。
しかし,「道徳の時間」の年間指導計画は,主題名と資料名や配当時間程度の不十分なものが多い。特別活動の年間指導計画でも,生徒会活動やクラブ活動,学級指導等の各内容ごとに指導計画が備えられているが,内容が不十分であったり,生徒の活動を細かに規定しすぎて特別活動の特質が見失われているものも見られる。
また,これらの年間指導計画は,教育目標を必ずしも踏まえているとは言えず,各計画間の関連も不十分である。
したがって,今後は,学習指導要領の趣旨を踏まえ,生徒や学校の実態に即した指導内容の精選や地域カリキュラムの自校化,道徳や特別活動の指導計画の改善充実,領域間の相互関連等を図るよう努める必要がある。
3)選択教科
学校教育法施行規則に定める選択教科は,音楽,美術,保健体育,技術・家庭及び外国語の各教科並びに学習指導要領で定められているその他特に必要な教科とされている。
このうち,外国語については,全中学校で英語を開設している。また,音楽,美術,保健体育,技術・家庭の4教科について見ると,年々開設教科数が増加しており,各学校の努力がうかがえる(図2-3-4)。しかし,本県の中学校には小規模校が多く,これらの学校では,当該教科の免許所有者がいない場合もあり,選択教科の開設や運営に困難な点が
図2-3-4 選択教科開設状況
注:「義務教育課調査」(昭58)による。