第3次福島県長期総合教育計画(昭和60年度〜昭和70年度)-072/181page
したがって,今後は,教科指導が人格形成の重要な基盤であることを踏まえ,中学校における学習内容に更に十分配慮しながら,高等学校における学習内容の一層の精選・構造化に努める必要がある。また,地域社会の良き担い手としての意識を高めるとともに,情報化社会や国際化の進展に対応できるよう学習内容についての研究を進める必要がある。
2) 指導方法
生徒の多様化に対応するため,教育機器の活用,学習の個別化,わかる授業の展開などについての研究を推進し,教師の指導力の向上に努めるとともに,習熟度別学級編成等による指導方法の改善充実に努めている。
しかし,指導方法は,教師一人一人の受け止め方に隔たりがあり,校内での授業研究も十分とは言えない。また,習熟度別学級編成は,昭和58年度で31.O%の実施率となっており,普通科の実施率が職業学科より低くなっている(表2-4-11)。
したがって,今後は,生徒の実態に即した指導方法の創意工夫に努めるとともに,VTRやマイクロ・コンピュータなどの各種教育機器を活用して学習の深化を図るようにする必要がある。また,校内研修や自己研修を一層充実することにより,教師の指導力の向上を図って学習指導の個別化を推進する必要がある。
表2-4-11 習熟度別学級編成状況(単位:%)
学科 実施率 普通科 26.2 職業学科 42.3 全学校 31.0
注:1.「高等学校教育課調査」(昭58)による。
2.調査対象は,分校を含む県立全日制高等学校87校である。
3.実施率=(実施枚数)÷(当該学科設置枚数)×100
3) 評価
評価のもつ多様な機能の中で,従来は,ともすれば学期末や学年末における成績評定という狭い意味での評価に目が向けられ,学習活動の成果としての生徒の変容や教師の教育活動に対する反省等の視点が見落とされがちであった。
したがって,今後は,日常の学習活動における生徒の変容を把握し,基礎的・基本的事項をすべての生徒に習得させるため,評価法を改善するとともに,その結果を学習指導の改善に生かす必要がある。
(4) 進路指導
中学校の生徒が高等学校に入学するに際しては,自らの将来に対する見通しや,明確な目的意識を持たないで進路を選択している傾向が見られる。また,高等学校における進路指導についても教育活動全体を通して入学当初から行うことが求められているものの,職業紹介や受験対策といった進路指導の一部の面に重点が置かれている。その指導も高学年に偏っている卿が見られる。
これらの傾向に対応するため,職業学科への推薦入学の実施,職業学科への理解を深めるための広報資料「わたくしたちの進路」の配布及び体験入学の実施,中学校及び高等学校の教員を