第3次福島県長期総合教育計画(昭和60年度〜昭和70年度)-071/181page

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資するよう,各学校の創意工夫にゆだねられている。昭和58年度における全日制高等学校87校について,その活用状況を見ると,2時間とも基礎的科目の履修に当てている学校が32校,2時間とも特別活動等に当てている学校が34校となっている(表2-4-9)。

しかし,いずれの場合にあっても,学校裁量時間設定の趣旨を生かした十分な活用が図られているとは言えない。

したがって,今後は,学校裁量時間設定の趣旨の徹底を図り,ゆとりある充実した教育活動の展開及び特色ある学校づくりを目指して,更に効果的な活用に努める必要がある。


表2-4-9 学校裁量時間の活用状況 (単位:校)

項     目 学校数
2時間とも基礎的科目の履修に当てる 32
2時間とも特別活動等に当てる 34
1時間を基礎的科目の履修に,1時間を特別活動等に当てる 21
87

注:1.「高等学校教育課調査」(昭58)による。
  2.学校数は,県立全日制高等学校で分校を含む。


4) 勤労体験学習

 働くことや創造することの喜びを体得させるとともに,望ましい勤労観や職業観の育成に資するため,各学校では,教育活動の中に勤労にかかわる体験的な学習を積極的に取り入れている。また,昭和54年度から勤労体験学習研究校を指定し実践的研究を進めている。各学校の内容を昭和58年度に実施した分校を含む全日制普通科高等学校61校について見ると,すべての学校において校舎内外の整備・美化を行っているほか,奉仕活動が33校,花だんづくりが23校,職業科目の履修が18校などとなっている(「高等学校教育課調査」昭58)。

このように,勤労体験学習は,校舎内外の整備・美化にとどまっている学校が多く,その意義を理解し,教育課程の中に適切に位置付けて実施している学校は少ない状況にある。

したがって,今後は,勤労体験学習の意義の十分な理解を図るとともに,指導内容・方法の改善充実に努める必要がある。

(3) 学習指導

1) 指導内容

 昭和59年度公立高等学校入学者一般選抜合格者の学力検査成績の総合得点分布を見ると,110点以下が23.7%,111点から150点が24.2%,151点から190点が27.1%,191点以上が25.0%となっており,入学者の学力には大きな格差が見られる(表2-4-10)。


表2-4-10 公立高等学校一般選抜合格者の総合得点分布 (単位:人,%)

項目 得点区分 0〜110 111〜150 151〜190 191〜250
人数 5,093 5,183 5,822 5,363 21,461
割合 23.7 24.2 27.1 25.0 100

注:「高等学校教育課調査」(昭58)による。


各学校においては,このような生徒の状況を踏まえ,学習指導要領の趣旨に沿って学習内容を精選するとともに,基礎的・基本的事項を習得させ,生徒の学習内容の理解の深化に努めている。

しかし,将来の地域社会及び国際社会の望ましい形成者としての資質を高め,社会の変化や進展に対応できる能力を身に付けさせるための指導は必ずしも十分ではない。


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