第3次福島県長期総合教育計画(昭和60年度〜昭和70年度)-092/181page

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第3項 生徒指導

(1) 生徒指導

 盲・聾・養護学校における生徒指導は,児童生徒の障害の多様化が進む中で,目的意識をもって学校生活を送ることができるようにすることが基本的課題である。障害をもつ児童生徒は,障害から生ずる問題のほかに,家庭を離れ,病院,施設等の中で生活することから生ずる問題など,性格形成にかかわる問題も生じやすい。そこで,児童生徒の障害の状態や生活意識並びに行動様式等の観察・理解に基づいて個別に指導目標を設定して指導する必要があるので,教職員が共通理解をもって指導に当たる体制を整えることに努めている。

また,児童生徒が将来において多様な生活環境に適応することができるよう,自立能力の向上のため,小・中学部及び高等部における一貫した指導を行うことに努めている。

さらに,児童生徒の多くが児童福祉施設,病院等に収容されているので,日常生活の指導について,学校と家庭,施設,病院等との間に指導の一貫性を保つ必要があり,定期的な懇談会,考察会等を開催して,共通理解を図ることに努めている。

一方,特殊学級については,全教職員の協力の下に,校内における児童生徒の交流を推進するなど指導の改善に努めている。

今後とも,障害の多様化が更に進むことが予想されるので,従来にも増して一人一人の障害の特性に応じたきめ細かな生徒指導に努める必要がある。

(2) 進路指導

 進路指導については,一人一人の予想される進路と将来における生活環境に必要な自立能力の向上を目指す指導を進めるとともに,関係機関と連携して進路の開拓を行うなど進路指導体制の整備に努めている。

昭和53年度から昭和58年度までの中学部卒業者の進路状況を見ると,盲・聾学校卒業者の大部分は高等部に進学している(図2-5-4)。養護学校の卒業者は,高等部に進学する者もいるが,施設等の保護の下に生活する者が増加する傾向にある(図2-5-5)。これは,障害の重度・重複化が主な原因である。


図2-5-4 盲・聾学校中学部卒業者進路状況
図2-5-4 盲・聾学校中学部卒業者進路状況

注:1.「養護教育課調査」(昭53〜昭58)による。
  2.進学は,高等部,高等学校,職業訓練校,各種学校である。
  3.その他は,施設,病院,家庭保護等である。


また,高等部卒業者の進路状況を見ると,盲・聾学校卒業者の大部分が就職又は進学(専攻科等)であり,養護学校では進学(職業訓練校・各種学校等)が減少しており,就職については身体障害者雇用促進法によ


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