第4次福島県長期総合教育計画(平成5年度〜平成12年度)-037/136page

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第2編

学校教育基本計画

第1 主要課題と計画の基本的方向


1 小・中・高等学校教育の充実

(1) 教育内容・方法の改善充実

 【小・中学校】

   今日の科学技術の驚異的な進歩や経済の急速な発展は,物質的な豊かさを生むとともに,情報化や

  国際化の進展,価値観の多様化など社会の各方面に大きな変化をもたらしています。これらの社会の

  変化は今後ますます拡大し,加速化していくことが予想されます。

   このような中で,本県小・中学校においては,生涯学習の基盤を培うという観点に立ち,社会の変

  化に主体的に対応できる心豊かな人間の育成を基本的なねらいとした学習指導要領の趣旨を踏まえ,

  心の教育の充実,基礎・基本の重視と個性教育の推進,自己教育力の育成,文化と伝統の尊重と国際

  理解の推進を柱に教育内容・方法の一層の改善に努める必要があります。特に,心の教育の問題につ

  いては,学校における道徳教育の一層の充実と家庭や地域との連携による道徳教育の振興に努めると

  ともに,人間と環境とのかかわりについての理解や豊かな自然や快適な環境についての価値認識を高

  める必要があります。基礎学力の向上については,児童生徒が主体的に取り組む学習活動を重視した

  教育への質的な転換を図り,新しい学力観*に立って基礎的,基本的な内容を確実に身につけさせ,個

  に応じた学力の向上を図ることが求められています。

   このため,本県は,豊かな自然や変化に富んだ気候風土に恵まれていることから,地域に根ざした

  特色ある教育課程の編成・実施を通して生活科を起点とする体験的な学習を積極的に導入することに

  努めます。また,本県の児童生徒の学力の実態に即し,個に応じた指導を一層充実するとともに,へ

  き地・小規模学校における学習指導や中学校における習熟の程度に応じた指導,選択履修の拡大等に

  関する取り組みや指導力の向上を図る研修機会の拡充,指導資料の作成・配付などに努めます。

   さらに,今後一層進展すると思われる情報化や国際化に対応するため,市町村における情報機器の

  導入を促進し,情報活用能力の育成を目指した計画的な指導者の養成に努めるとともに,国際理解教

  育の推進や教員の海外派遣事業の拡充,児童生徒の国際感覚や語学力の向上を図るための諸施策の推

  進に努めます。

 【高等学校】

   近年における社会の急速な変化に伴い,高等学校に学ぶ生徒の能力・適性,興味・関心,進路や目

  的意識は著しく多様化してきています。このような中で高等学校においては,中学校の教育の成果を

  踏まえ,一層の学力向上と生徒一人ひとりの個性の伸長や創造性の育成,さらには,生涯にわたって

  の学習を継続できる自己教育力の育成を図るとともに,主体的に社会に貢献し,その発展を担うこと

  のできる人間の育成が求められています。


* 新しい学力観:児童生徒一人ひとりの内発的な学習意欲を喚起し、自ら学ぶ意欲や思考力・判断力・表現力などの能力の育成

           を基本とする学力観。


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