第4次福島県長期総合教育計画(平成5年度〜平成12年度)-038/136page
このため,学力向上については,本県の高校生の大学等への進学状況が,他県に比して低位にある
ことから,大学等への進学を希望する生徒がその目的を達成することができるよう効果的な教育課程
の編成に努めるとともに,小・中学校や進学者の多い高等学校相互の連携強化や他県の高等学校への
教員の派遣研修,進路情報の収集活用等に努めます。
また,生徒の多様化に対応して,従来の普通教育・職業教育の枠にとらわれない総合的な新しいタ
イプの学校の在り方について検討するとともに,個性の伸長を目指した柔軟な教育課程の編成や家庭
科目の男女必履修に伴う適切な対応,進級・卒業認定の弾力化のための単位制の活用など,生徒自ら
が学ぶ意欲を高めることができるよう,教育内容・方法の質的な改善に努めます。
さらに,一層進展すると思われる情報化に対応して,情報活用能力の育成を図るため,情報機器の
整備を推進するとともに,情報機器の効果的な活用を目指した指導者の養成に努めます。また,国際
化の進展に対応して,国際社会に生きる日本人としての資質の育成を図るため,外国青年招致事業*や
教員の海外派遣研修の充実など国際理解教育や外国語教育の充実のための諸施策を講ずるとともに,
高校生の海外留学と海外からの受け入れが円滑に行われるよう,その在り方について検討を進めます。
(小・中・高等学校における環境教育の充実)
科学技術の進歩と産業活動の活発化等に伴う環境への影響が世界的な関心事になっていることを踏
まえ,豊かな自然や快適な環境についての価値を理解し,その保全に関する意識の高揚を図るため,
小・中・高等学校における各教科等の学習を通じ,自然と人間の調和について考察するとともに,科
学的に探究する能力・態度を育成するなど,環境教育の充実に努めます。
(小・中・高等学校における学校週5日制への対応)
近年の教育を取り巻く諸情勢の変化に対応して,児童生徒が自ら学ぶ意欲と主体的に考え,判断し,
行動できる資質や能力の育成が重視されています。したがって,児童生徒がこれからの時代において,
心豊かにたくましく生きていくことができるよう望ましい人間形成を図る観点から,平成4年度の第
2学期より学校週5日制が実施されたところです。
このため,学校教育においても学校週5日制にかかる国の動向等を踏まえながら,制度改正の趣旨
がよりよく実現されるよう,家庭や地域との連携を深めながら教育活動の改善充実に努めます。
(2) 生徒指導・進路指導の充実
【小・中学校】
本県における小・中学校の登校拒否児童生徒数は,昭和62年度から平成2年度までの4年間は,毎
年度500人台で横ばいの状況が続いていましたが,平成3年度においては,700人台と増加のきざしを
みせており,依然として憂慮すべき問題となっています。これら登校拒否に陥った要因をみると,本
人の性格や家庭的な問題,複雑な社会的状況に加えて,学校生活の影響も見逃せないことから,登校
拒否はどの子にも起こりうる問題となりつつあります。
このような中で,小・中学校においては,一人ひとりの児童生徒への理解を一層深め,教師と児童
生徒,児童生徒相互の望ましい人間関係を醸成するとともに,楽しく豊かな学校生活の実現が強く求
められています。
* 外国青年招致事業:国際交流員又は外国語指導助手として外国より青年を招致し,我が国における外国語教育の充実及び地域
レベルでの国際交流の進展を図る事業。