第4次福島県長期総合教育計画(平成5年度〜平成12年度)-041/136page
2 養護教育の充実
養護学校教育の義務制実施後10数年を経て,地域社会等による養護教育へのニーズは,一層の高まりが
みられます。また,児童生徒の障害については,重度・重複化のみならず心身の障害の多様化も進んでき
ています。このような状況に対応するために,障害の種類・程度,適性等に応じた教育の充実を図るとと
もに,養護教育に対する地域社会の理解や認識とその協力のもとに,適正就学の推進や教育機会の拡充,
教育内容・方法の改善充実を図ることが課題となっています。
このため,心身障害児にかかる適正な就学指導は,適切な教育を行うための基礎となることから,市町
村教育委員会等との連携を強化し,適正就学の推進に努めます。
また,養護教育センター等における教育相談を一層充実するため,相談員を増員するなど諸条件を整備
するとともに,小・中・高等部の一貫した教育の重要性を考慮し,養護学校の適正配置を推進するなど,
教育機会のより一層の拡充に努めます。
軽度心身障害児の教育については,小・中学校の特殊学級における取り組みを一層推進するとともに,
通常の学級に在籍したまま,障害に応じて特別な指導を受ける,いわゆる通級による指導*については,対
象となる児童生徒の判断を適切に行ない,指導の一層の充実に努めます。
また,障害の種類・程度,適性等に応じてより効果的な教育を行うことができるよう,教育内容・方法
の改善充実に努めます。とりわけ重度・重複障害児の指導方法及び中・高等部を中心とした職業能力の開
発と向上を図るための指導内容・方法の改善に努めます。
さらに,心身に障害のある児童生徒の経験を広め,社会性を養い,好ましい人間関係を育てるため,心
身に障害のある児童生徒と幼稚園や小・中・高等学校の児童生徒及び地域社会の人々が活動を共にする機
会を積極的に設け,交流活動を通して心身障害児の社会参加や自立が図れるよう交流教育の一層の推進に
努めます。
生徒指導については,児童生徒の障害の状態や発達段階を的確に把握し,児童生徒に望ましい生活習慣
を身につけさせるとともに,自らの障害を積極的に改善,克服しようとする態度を育成することが必要で
あることから,関係者との連絡を密にし,教職員の十分な共通理解のもとに,効果的な指導が推進できる
よう努めます。
施設・設備については,体育館・校庭・プール等の教育に欠かせない基本的な施設・設備の整備を図る
とともに,児童生徒数の推移及び障害の種類や程度等に十分配慮した施設の整備を推進します。また,情
報化による社会の変化に対応した教育の充実を図るため,障害の種類・程度,特性等を考慮したコンピュ
ータ等の教育機器の整備と活用に努めます。
学校週5日制については,今後の国の動向等を踏まえながら,特に家庭や地域及び社会福祉施設等の関
係機関との連携を深めるなど,制度の円滑な推進に必要な諸条件の整備に努めます。
3 幼稚園教育の充実
近年の核家族化,少子化,都市化,情報化等,幼児を取り巻く環境の著しい変化は,幼児の生活にも大
* 通級による指導:各教科等の授業は主として通常の学級で受けながら,心身の障害の状態等に応じた特別の指導を通徹指導教
室等,特別の指導の場で行うこと。