第4次福島県長期総合教育計画(平成5年度〜平成12年度)-080/136page
校における適切な進路指導や中学校卒業者数の減少に伴う適切な募集定員の策定により,進学率の向
上に努めます。
また,平成2年度以降の中学校卒業者数の大幅かつ長期にわたる減少傾向を踏まえ,以下のことに
努めます。
まず,入学定員については,中学校卒業者の志願動向を考慮しながら,課程別,学科別並びに地域
別の入学定員の適正化を図ります。定時制・通信制・単位制による課程については,教育機会の均等
を図る立場から,勤労青少年の学習及び成人の生涯学習の場として,入学定員の適正化に努めます。
さらに,公立・私立高等学校の入学定員比については,福島県公私立高等学校協議会で協議しながら,
従来の定員比を尊重するように配慮します。
次に,学校・学科の配置や学科転換並びに男女共学の在り方については,生徒の進路動向や地域の
実態,社会の要請等を考慮しながら,学校教育審議会の答申を尊重して,適正化に努めます。
また,学校の規模について,交通利便等を含めた各地域の状況や国の動向にも配慮しながら,長期
的展望に立って適正な学校規模となるよう努めるとともに,学級編制については,地域の実態を考慮
しながら,40人学級基準に沿って適正な学級編制となるよう努めます。
(2) 単位制による課程の充実
平成3年4月,安積第二高等学校に単位制による定時制の課程を開設し,平成5年4月には,単位制に
よる全日制の課程を開設することとし,福島県立いわき光洋高等学校として発足を予定していますが,学
習ニーズの多様化や生涯学習の観点から,学習機会の拡充に対する要請は,今後ますます増大することが
予想されます。
このため,今後とも,生徒の多様な進路志向や地域・社会の要請,生涯学習に対する理解の深まりなど
を踏まえ,学習者の幅広い学習需要に応え得る教育課程の編成やその運用,教職員の配置,施設・設備の
整備充実等に配慮しながら,単位制による課程の拡充を図り,学習機会の確保に努めます。
(3) 定時制・通信制教育の充実
定時制・通信制教育は,これまでの勤労青少年の学習の場としての役割に加え,生涯学習の機会を与え
る場としても期待されていることから,学習者の能力・適性・希望に応じた学習内容の改善や弾力的な教
育課程の編成を図り,学習機会の拡充に努めることが必要です。
このため,学習内容や指導方法の一層の改善充実に努めるとともに,専門分野の資格取得を目指す科目
など特色ある教科・科目の設定に努めます。また,これら多様な教科・科目の履修が可能になるような選
択制・類型制の拡充に努めます。
さらには,学習者のニーズに応じて,聴講制度や一部科目履修制度*の拡充を図るとともに,修業年限の
弾力化を進めるため,技能教育施設における学習を教科の一部の履修としてみなす技能連携制度,職場に
おける実務を教科の一部の履修としてみなす実務代替制度の拡充に努めます。
* 一部科目履修制度:卒業を目的とせず,一部科目の履修を希望する者に対して,単位制による定時制課程において選考(面接)に
より,履修を認める制度。