サクシード中学校国語から高等学校国語へ-006/43page

[検索] [目次] [PDF] [前][次]


 また、実際の指導に際しては、生徒の学習の実態に応じた指導を心がけるとともに、以下の点に留意して指導を進めることが望まれる。

 

〔中学校における学習指導のポイント〕

 1)学習内容及び指導形態等についての理解

 ア 小・中の学習内容の理解を図り、教材をもとに国語に対する興味・関心をもたせる工夫をする。

 イ 中・高間の、学習量、進度、学習形態等の違いを生徒に知らせ、高等学校での学習にスムーズにつなげられるように配慮する。

 ウ 高等学校で発展的に学習する内容を知らせ、教材を通して幅広い読書への意欲を引き出す工夫をする。

 2)基礎・基本の重視と発展的学習についての配慮

 ア 論理的な文章の理解については、論理的なものの考え方を養うとともに、自分の意見を持つことができるように支援する。

 イ 文学的文章については、作品の共感的な理解をもとに、生徒のよさを引き出すように心がける。

 ウ 古典については、作品に対する親しみをもたせ、古典への興味・関心を喚起するために音読や朗読の工夫をするなどの配慮をする。

 エ 文法については、口語文法をもとに、体言と用言、修飾と被修飾等の基礎的事項の定着を図り、高等学校で学習する文語文法についても、口語文法の基本事項の学習が役立つことを知らせる。

 

〔高等学校における学習指導のポイント〕

 1)既習事項についての理解とその応用・展開

 ア 中学校における学習内容の理解を図り、場合によっては中学校における教材をもとに基本事項の確認をする授業を試みるなど、きめ細かな授業の工夫をする。

 イ 中学校までの学習方法、学習形態、ノートの取り方と高等学校におけるそれらとの違いを知らせ、自分にあった効果的な方法を考えさせる。

 ウ 中学校で工大しているグループ学習、ペア学習、調べ学習等について把握し、図書館などを活用した問題解決型学習等により生徒の興味・関心を喚起する。

 2)理解困難な分野の理解力育成への配慮

 ア 論理的文章の読解において、単なる知識理解だけでなく、生徒が具体的なイメージをもつことができるような授業の進め方を工夫する。

 イ 文学的文章及び古典の学習においても心情把握とともに、音読や朗読を重視し、基本的な文章や感動的な文章について暗唱をさせる等のきめ細かな指導を心がける。

 ウ 文語文法については、中学校で学習した口語文法を確認することにより、生徒の日常生活に密着した言葉の理解が図られるようにする。

 以下、第2章においては、「理解」領域を中心として論理的文章、文学的文章、古典及び、言語事項について、具体的な教材をもとに中・高の学習指導上の課題と課題解決のための指導のポイントが示されている。


[検索] [目次] [PDF] [前][次]

Copyright (C) 2000-2001Fukushima Prefectural Board of Education All rights reserved.
掲載情報の著作権は福島県教育委員会に帰属します。