サクシード中学校国語から高等学校国語へ-005/43page

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四 中・高の学習指導における指導のポイント

 これまでの考察から、総合的な国語力の育成という観点に立って、「読む、書く、聞く、話す」という四つの学習活動に関する力をバランスよく育てるとともに、論理的思考力を育成し、正確な文章読解力と的確な表現力を育てていくことの大切さが指摘される。

 これらの力は、一朝一夕に育てられるものではなく、地道な読書体験などを通して育まれるものであり、それらを通して主体的に問題を追求し続けようとする意欲や深くものを考える力が生まれてくるものといえる。

 中学校から高等学校へと生徒がよりスムーズに学習を進めるためには、次のような点に留意して指導を進めていく必要がある。

 

〔中・高共通した学習指導のポイント〕

 1)学習指導内容(教材等)及び学習指導方法(指導形態も含めて)の相互理解

 ア 中・高の学習内容を相互に理解し合い、系統的な指導を心がけること。

 イ 中・高の学習指導方法及び指導形態等の相違点を理解するとともに、教材に合わせた指導方法の工夫をすること。

 2)理解、表現、言語事項に関わる基礎的な力の育成

 ○文章を理解する力の育成

 ア 論の展開の道筋を把握するとともに、文章全体を巨視的にみる力を育成すること。

 イ 具体例と筆者の意見とを明確にして、文章を正しく読む力を育成すること。

 ウ 文章全体の構成を理解して、要旨を確実に把握する力を育成すること。

 エ 情景や人物の描写などから小説の主題に迫る力を育成すること。

 オ 言葉に込められた作者の思いを読みとり主題を把握する力を育成すること。

 カ 古典作品に親しむとともに、正確な読みにより昔の人の心に迫る力を育成すること。

 ○文章表現力の育成

 ア 文字表現とともに音声表現を重視した発表力を育成していくこと。

 イ 自分自身の考えを大切にし、自分の言葉で表現しようとする意欲を育てること。

 ○言語に関する基礎的な能力の育成

 ア 基本的な語彙の知識とその運用能力を高めていく工夫をすること。

 イ 一貫性のある系統的な言葉の指導を通して、文法や古典への興味・関心を深めること。


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