(4)高等学校で指導上よく問題となる事項
高校生が誤りをおこしやすい事項を、中学校の学年別・領域別にまとめると次のようになる。
1)数と式
◎中学校では学習しない内容
中学1年 中学2年 中学3年 ◆等号の正しい使い方(等号を日本語の「は」と同様に使ってしまう)◆A=Bを移項(変形)し、B=Aと-B=-Aを使い分けること◆a/b=c/b⇔ ad = bc◆絶対値の意味 ◆不等号の使い方◆等式の変形と方程式の分母を払うことの区別◆1っの文字について解くこと◆係数が分数である連立方程式を解くこと ◆平方根の意味◆aの平方根と√aの違い◆2次式の平方完成◆共通因数でくくってから約分すること◆共通因数が式であるときの因数分解
◆文字の値による場合分け ◆連立3元1次方程式 ◆連立不等式
2)数量関係
◎中学校では学習しない内容
中学1年 中学2年 中学3年 ◆関数の意味◆比例定数の意味とそのグラフ上の意味◆問題解決に必要な文字を設定すること ◆2点を通る直線の式を求めること◆直線の傾きの意味◆問題文中から1次関数の関係を取り出すこと ◆関数のグラフのかき方(目盛りの取り方、概形のとらえ方)◆場合の数を規則的に分類して数え上げること
◆関数の記号f(X) ◆2次関数の一般形 ◆文字式を用いて一般化した確率
3)図形
◎中学校では学習しない内容
中学1年 中学2年 中学3年 ◆直線AB、線分AB、半直線ABの違い◆点と直線の距離の意味◆立体の見取り図を書くこと ◆定義と定理の違い◆証明における逆の意味◆題意を満たす図を書くこと◆三角形の相似条件 ◆三角定規の3辺の長さの比◆相似比を利用して線分の長さを求めること◆円周角の性質を問題の中で適用すること
◆内心・外心という用語 ◆三角形において∠Aの対辺をaで表すこと