サクシード中学校数学から高等学校数学へ-008/35page

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§3学習意識と学力の現状分析
(1)数学に対する意識について
1)中学校の授業は、小学校に比べて学習進度が速く、学習量や指導形態等も違うため、生徒はとまどいを感じて、授業についていけなくなる傾向があり、中学1年に数学離れを起こしがちである。
2)高等学校の授業も、学習進度、学習量、指導形態等について、中学校と大きく違うため、生徒は高校1年に数学離れを起こしがちである。
(2)数学の学力について
1)中・高を通じて、問題を分析して基本的事項を具体的な問題の中で適用する力や見通しを持った計算力等が不足しがちであり、応用力不足を招いている。
2)関数領域については、中・高を通じて最大の弱点となっている。小4の伴って変わる量、小5の文字の利用、中1の文字の使用、関数と比例、中2の1次関数、高1の2次関数の各段階での概念理解の積み重ねが必要であることから、1つのつまずきが次の段階に大きく影響して理解をさまたげていることが考えられる。高等学校においては、高2の三角関数が弱点となっていることからも、関数領域が弱点分野であることの克服がなされていない。
3)図形領域については、小6の比、中3の図形の相似、高1の三角比の各段階においてっまずきが見られ、数量的考察を伴う図形分野が弱点になっている。中・高とも基本的事項の習熟が不十分であり、問題解決に必要な図形を取り出し、基本的事項を適用して考えていく力が不足していると考えられる。さらに、高等学校においては、相似や三平方の定理等の中学校の学習内容とのつなぎが十分とはいえないこともあり、三角比や図形と方程式、ベクトル等の領域において学習内容が十分には定着していない。

§4中学校・高等学校における学習指導上の課題
(1)学習指導において中学校・高等学校に共通する重点課題
【学習指導の連携に関すること】
1)小・中・高の学習内容を理解し、指導の一貫化を図ること。
2)中・高の指導形態の違いを相互に認識し、指導上配慮すること。
3)中・高とも入学直後の指導に配慮し、数学離れを起こさせないこと。
【学力の育成に関すること】
4)定義、用語、定理等をその意味とともに正しく理解・定着させること。
5)問題を分析して考える力や見通しを持った計算力を育てること。
6)関数領域、数量的処理を伴う図形領域の力を育てること。

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