サクシード2中学校国語から高等学校国語へ-028/81page

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8)ストーリーを想像する
  一「丸」で作る小さな絵本一

●世界に一冊しかない自分だけの本
 自分自身でストーリーを想像し、発想することの楽しみを味わわせる一つの方法が、「丸」で作る小さな絵本です。この絵本は三己で言うとアトランダム(順不同)にかがれた「丸」から話を作っていくものです。偶然にできた図案をエピソードによって必然的な話にしていくという作業は、初めはやりにくそうですが、いざ取りかかるとほとんどの生徒が楽しそうに進めていきます。
 なお実際に授業で行う場合には、話を作る段階になるまで、何をやるかを秘密にしておいた方が意外性があり、多様性に富んだものになるようです。

手順
 ?紙を適当な大きさに切る。(B4を十六等分したぐらいのものが使いやすいようです。)
 ?全ての紙に丸だけを使って適当に図柄を入れる。(丸の大きさ、数、書く場所などできるだけ変化に富んでいた方がおもしろい。)
 ?全ての紙を入れ替えて、ページ番号を入れる。(この後、この順序は入れ替えない。)
 ?番号順に並べ、話を作る。(丸を何かに見立てて、想像することポイントです。)
 ?出来上がったものをお互いに読みあい、感想を述べあう。

 工夫次第では二回、三回と作成することも可能です。その際、丸をかいた後、そっくりそのまま他の生徒のものと取り替えたり、一部を取り替えたりするなどの工夫が必要です。また、人間が登場しない話にしたり、盛り上がりの部分を取り入れるなど、いくつかの制約を加えて作成することも一つの方法です。いずれにしても、できるだけ先入観を持たず、新鮮な状態で話を作ることが豊かな発想へとつながります。

丸からの発想

●心を豊かに
 絵本作りは、想像力や表現力を伸ばすという観点からだけでなく、自分の内面を豊かにする上でも興味深いものです。
 ストーリーを自分で作り上げる楽しみとともに、それを人に読んでもらうということも大きな士貴びです。自分なりに「作品を作る」という創造の喜びを生徒に味わわせる機会を持たせることで、表現への意欲が増すものと考えられます。
 また、修学旅行や校内の行事の感想文を書くときに、通信文や創作の形式をとるなどの工夫をすることによって、生徒の創造性や想像力が育てられます。

授業の窓

中学校の教科書から

●物語のあらすじを作る
 次のいずれかを選んで、あとに示したような方法で物語のあらすじを作ろう。
 ・三つの場面から成り、第二の場面で過去の出来事が入る展開の物語。
 ・好きな歌を一つ取り上げ、そのイメージを生かした物語、または、その歌にまつわる物語。
(1)時・場所・登場人物を設定する。
(2)中心となる出来事を考える。
(3)あらすじを、二百字から四百字程度で書く。
(「国語2」光村図書P.251)

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