平成12年度福島県小学校新教育課程説明会要項-044/64page
自覚を深め自分のものとして、身に付け発展させていくものととらえている。また、道徳の時間をかなめとして全教育活動において適切な指導を行うものであることを明記している。
(4)「体験活動を生かすなど多様な指導法の工夫」を明記し、ボランティア活動や自然体験活動、施設等との交流活動など、多様な体験活動を生かした道徳教育、授業を工夫し、道徳的価値の自覚を深める実践研究の推進を求めている。
(5)教師と児童との信頼関係など人間関係の充実の強調と、家庭や地域社会との連携について「授業の実施や地域教材の開発や活用など」と具体的に、児童の道徳的発達を促す地域ぐるみの環境づくりに取り組むことを示している。
(6)道徳の時間の評価は従来どおり、数値などによる評価は行わないことを明確にしている。
3 各教科や特別活動などとの関連における道徳教育の充実
学校における道徳教育は、道徳の時間をかなめとし、各教科、特別活動、総合的な学習の時間などあらゆる教育活動を通じて、児童一人一人の道徳性の育成を図るものである。
各教科、特別活動、総合的な学習の時間には、それぞれ固有の目標や内容があるが、それらはすべて、児童の豊かな人格形成を果たすためのものである。それぞれの教育活動の特質に応じて、道徳的な心情や判断力、実践意欲や態度などの道徳性の育成に努める必要がある。今回の学習指導要領の改訂において、そのことが「第1章 総則」や「第3章 道徳」の「第1 目標」に明記されている。そのことを具体化するために、特に次のような点に留意する必要がある。
(1)各教科や特別活動などの目標や内容と道徳教育の目標や内容との関連
各教科や特別活動などの目標や内容の特質に応じた指導を行うなかで、どのような道徳性の育成が図れるのかを考える必要がある。それらには、さまざまなものが挙げられるが、特に、学習指導要領の「第3 道徳」の「第2 内容」に示される内容項目とどのような関連があるかを押さえることが大切である。そのことによって、授業の評価もより多様になるし、各教科での学習と日常生活や自らの生き方とのかかわりもより意識できるようになる。
各教科や特別活動などの年間指導計画や学習指導案を作成するときには、道徳教育の全体計画や道徳の時間の年間指導計画をあわせてみていくことが大切である。
(2)学習活動や学習態度への配慮
各教科や特別活動などの指導においては、児童が伸び伸びとかつ真剣に打ち込み、それが効果的に進められるよう留意することや、学級の雰囲気や人間関係が思いやりのある自主的・協力的なものになるよう配慮することが必要である。それらは、各教科の学習効果を高めるとともに、望ましい道徳性を育てることになる。
(3)教師自身の態度や行動への配慮
日常の各教科や特別活動などの指導における教師の態度や行動は、児童の道徳性の育成に大きな影響を与える。教師の授業に臨む姿勢や熱意は、授業中のさまざまな態度や行動となって表れる。それは、児童の態度や行動にも反映し、学級の雰囲気をつくる。教師は、授業内容の指導に力を入れると同時に、道徳の目標や内容に示されている精神を自らが授業の中で実践するよう心がける必要がある。