教育福島0001号(1975年(S50)04月)-007page

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少年に対する科学知識の普及、情操のかん養、生活指導の場としての「児童文化センター」、少年に対して自然環境の中で野外活動、自然探究あるいは集団宿泊訓練等を行う場として「少年自然の家」等がある。

これらの青少年教育施設は、本県にとってその絶対数が少なく、青少年活動の実態に対応できない現状である。

しかしながら本県においては、昭和四十一年青年教育の殿堂としての「青年の家」の誘致を積極的に進め、秀峰磐梯山麓に「国立磐梯青年の家」を建設して以来、県内の勤労青年、在学青年はもちろん、近県からも青年の利用が年をおって高くなり、県内各市町村は青少年教育計画の中に「青年の家」の利用を位置づけるようになった。

また、昭和四十六年には郡山市に二百人収容の「福島県少年自然の家」を建設し、少年に対し集団宿泊生活を通して社会性を体験的に学習させるとともに、自然に親しむ活動を通じ、豊かな心情と体力を養い、心身ともにたくましい少年を育てることを目的としてその運営に当たっている。

昭和四十九年度は、四万七千百五十七人の利用者で調整に頭をいためたような現況である。

更に本県にとっては学制百年記念事業の一環として、「国立第二少年自然の家」の建設が決定し、地元県としてはその協力事業を推進している。

この少年自然の家は西白河郡西郷村甲子地区と栃木県那須地区にまたがる敷地百三十二万九千平方メートルに総事業費約十七億円余を投じ建設を進められるもので、一日も早い完成を期待している。

建設計画の概要は、甲子地区に建設されるメイン施設約一万一千六百八十二平方メートル、野外活動施設千二百七十五平方メートル、那須地区に設置されるロッジ七百平方メートルで、その他野外活動施設としてのキャンプ管理とう、便所、バンガロー、ふるさとの家等の建設が予定されている。

また、この施設は高原に設置する少年自然の家として甲子、那須高原の立地条件を生かし、特に冬期間における野外活動が期待される。

昭和五十年四月に、相馬市磯部に二百人収容の海浜青年の家が開所し、七月には事業を開始することになった。

青少年が利用する社会教育施設の整備については、日常生活圏的施設、広域圏的施設とを区分し既存の施設を含めて体系的に配置を計画する必要がある。今後一層関係市町村による広域的な施設の建設について促進をのぞむものである。また青少年教育施設の整備と並行して、青少年教育指導者の養成を年次計画で実施する。

昭和四十九年は県内学識経験者に依頼して青少年教育実技研修の基準を作成した。

この研修基準をもとに五十年度から研修事業を実施し五十三年度まで三百六十二人を養成し、有志指導者として青少年施設に位置づけその活用をはかる考えで準備を進めているところである。ことに在学青少年にとって楽しく遊びかつ生活訓練である学校以外の活動は施設と指導者が充実することによって一層の促進と活発をみるものと思う。従って有志指導者の中には学校教職員の中で優れた指導力をもっている者はこの教育に対する理解を深め、有志指導者として積極的な協力によって指導層が厚くなるものと思う。

県内の豊かな自然環境の中に体系的に整備された施設と指導者によって今後とも未来をつくる青少年の育成のため基盤を整備する方針である。

 

青少年教育施設の設置状況

昭和49年10月1日 福島県

 

 

 

 


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