教育福島0006号(1975年(S50)10月)-019page
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昭和五十五年度目標日本人一人当たりの栄養摂取量の中で、カルシウム所要量は中学生が一番多く、十三歳(平均体重四十八キログラム)で一日当たりの必要量は八百二十五ミリグラムとされており、成長期にカルシウムがいかに必要かが理解される。家庭の食事で取りにくいカルシウムを、学校給食でより多く取れるよう心がけている。
ビタミンB1はこのグラフから見ると相当過剰のように思われる。それは、この地域が米飯中心の食事にもかかわらず強化米、強化麦を混入して食べている家庭が少ないからである。ビタミンHは糖代謝に関与する重要なビタミンなので米食にはなくてはならないものであるまた、ビタミンB1は加熱調理で破壊されやすく、一日必要量以上は排せつされるため、基準量より多くしている。
ビタミンB1に限らず、微量栄養素であるビタミン類は、外からいろいろの要因で破壊されやすい。学校給食は切断機、鉄かまの使用、切断後の食材料の放置などで、その要因をより多く受けている。成分表を用いて計算した数字よりも更に損耗量が増えるので、これらよりもより多く摂取させている。
第二学期から生鮮肉類が四十パーセントー五十パーセント値上がりした。物価が上がると肉類、果実類を減らしがちである。その結果、カロリーと脂肪の多い献立内容になる。本校では、六月から学校給食会のボイルドビーフを献立に入れているが、味も良く、安価で、スープ類にはとても好評である
これらボイルドビーフの利用回数を多くし、卵類などの活用を考えて、カロリーを押さえた質のよい給食内容を維持していくよう努力している。
三、アンケート調査から
六月にパン、おかず、土曜給食についてアンケート調査を行った結果は、図2表2のとおりである。パンについては減量になったこと、中味が改善されたことで、食べ残しがかなり減っているのが分かる。おかずについておいしいもののトップは、三年前と変わらず“やきそば”である。米飯のピラフ類も月一回程度実施しているが、とても人気がある。やきそば、ピラフ、スパゲティなどの場合、パンのグラム数が減らせるような流動的な小麦粉使用方法を各関係機関と協議−改善してゆきたいと思う。
四、本校の特色
生徒の献立への自主的参加という意味で、毎月一回程度、生徒たちが各クラス単位で希望献立を作成する。これを生徒会のほうでまとめるが、内容を見ると、生徒の感覚で作成するから、夢のある献立が多い。例えばサンドパンと色彩のきれいなスープ類の組み合わせなどである。この希望献立の場合は少々経費や労力が多くなるが、調理員の協力を得て希望どおりにしている。生徒、職員も楽しみにしている献立である。
生徒が主体の学校給食であるから、給食運営委員会を通して、生徒のために夢のある楽しい献立内容にし、最近特に問題になっている「教師と生徒の会話の場」にもしたいと思っている。
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図2
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(量) 表2 パンについて
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(味)
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