教育福島0009号(1976年(S51)02月)-012page
れるようにする。
(六) 児童一人一人のつまづきを的確に診断し、これに見合った指導を行うよう、指導過程を工夫する。
三、理科の指導の効果をあげるために、いろいろな教材・教具の活用に努める。
(一) 自然からの直接経験をたいせつにし、児童が直接観察・実験できるよう、地域環境の調査、学校の施設・設備の充実に努める。
(二) 理科室、準備室を、どの教師でも使えるよう改善するとともに、学習意欲を高めるよう経営を工夫する。
(三) 教育機器の使用に当たっては、じゅうぶんその効果を検討し、指導過程の中に位置づけておくようする。
四、事故防止に努め、安全な実験・観察を行う。
(一) 教師一人一人が、実験・観察の技能に習熟するよう努める。
(二) 児童に、実験・観察の基本操作が確実にできるよう指導する。
(三) 薬品・器材についての知識を深め適切な管理をする。特に劇物・毒物発火性・引火性のある薬品については、その品目、数量を常時点検し、保管を確実にする。
中学校
小学校理科と密接な関連を持ち、自然の事物・現象を探究の過程を通して基本的な科学概念が構造的に獲得され科学の方法が身につくよう、次の点について努力する。
一、理科の目標が達成され、学習指導が望ましい成果をあげうるよう目標を具体化し、指導内容の重点化、教材の精選を図り、ゆとりを持って、実態に即した指導ができるよう計画を改善する。
(一) 理科の目標や分野の目標を分析しこれらと、生徒の既有経験・能力、学校の施設・設備、地域の諸条件の関連を明らかにして具体的な目標を設定するとともに、指導内容を具体化する。
(二) 指導内容が、基本的科学概念とどの程度強く結びつくか、また今後、深化、拡大させていく内容であるかによって重点化を図り、指導内画計に明示する。
(三) 生徒の思考過程や活動、反応を予測し、探究可能な内容について見通しを持って計画を立てる。
(四) 科学の方法を具体的な問題を解く過程の中で身につけさせるため、意識的に指導計画に組み込む。指導内容によって、どの方法に重点を置くか、三年間を見通した計画を立てる。
(五) 日々の指導記録の取り方に工夫を加え、その結果を指導計画改善のために反映できるようにする。
二、生徒が理科学習に興味を持ち、確かな基礎的科学概念の獲得と、科学の方法を習得させるため、探究の学習をいっそう効果あるようにする。
(一) 基本的科学概念を明確に押さえ、それぞれの科学概念相互の関係を明らかにする。
(二) 一般的な探究過程に従って、どの内容も指導するのでなく、指導内容や生徒の既有知識・能力に応じて、いろいろな探究の過程がとれるよう工夫する。
(三) 個々の指導内容は、常に基本的科学概念とのかかわり合いを明確にし内容が構造的に捕らえられるよう、工夫する。
(四) 生徒の主体的な活動を中心に、発見的、探究的に学習が進められるよう、問題意識を高める場の設定等について工夫する。
(五) 努めて実験・観察を取り上げ、具体的な活動を通して学習させるようにし、結果だけを重視する学習に陥らないようにする。
(六) 新しい教材・教具や方法を積極的に活用し、学習の充実や多面化を図るようにする。
三、知識・理解の面のみでなく科学的な方法で探究する能力についても適切な評価をし、指導計画や指導法の改善を図る。
(一) 科学の方法の習得程度や科学的な探究能力の評価は、指導の過程で随時行えるよう計画する。
(二) 指導事項について、できるだけ具体的に目標の分析をし、それに基づく評価の具体的方法と計画を準備する。
(三) 評価が、生徒の学習意欲を盛り上げるものとなるよう工夫する。
四、理科学習の効果を高めるため、学習環境の充実・活用に努める。
(一) 学校・地域の環境を再調査し、生徒の学習意欲を盛り立てるよう環境を構成する。
(二) 実験・観察が効果的に行われるよう、常に器具、薬品等を点検・整備し、消耗器材の充足に努める。
(三) 指導資料を累積し、その活用に努める。
五、理科学習における安全にいっそう徹し、事故の防止に努める。
(一) 生徒の実験・観察技能を高める。
(二) 薬品、器材の保管を確実にする。