教育福島0009号(1976年(S51)02月)-025page

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作成するように努める。

(三) 障害の程度や特性に応じるため、個別に指導の目標を立て、評価しながら指導を進めるよう配慮する。

同じ題材で学習を進める場合でも学習の到達目標や内容を個別に用意し、到達度、適応のしかた等を確かめながら指導を進めるように努める。

 

四、身辺処理の確立、社会自立を強化する指導を工夫する。

 

(一) 観察や調査、検査を実施して、個人理解のための資料を整備し、有効な指導の手がかりを得るとともに、個別に指導方針を立てて指導に当たるよう努める。

(二) 学校におけるあらゆる場を日常生活指導の場や機会として身辺処理の確立に努め、家庭との連絡を密にして、学校における指導が家庭でも生かされるように配慮する。

(三) 作業学習を取り入れ、社会自立の精神を強化する指導法について研究を進める。

作業学習では、結果よりもその過程を大事にし、作業態度や分担の責任等、社会的訓練を通して社会自立の精神を養うよう留意する。

(四) 危険な場所を熟知させ、危険から身を守る方法について具体的に指導するとともに、交通事故防止のための訓練、安全な遊びの指導を徹底する。

(五) 地域関係機関やPTA、親の会などとの連絡体制を確立し、事故防止に対する協力を得るとともに、事故が生じた場合の処理について万全を期する。

(六) 職業安定所等関係機関、事業所と連絡を取りながら障害児のための職場開拓をするとともに、生徒の能力適性をじゅうぶんは握して適切な就職指導を進める。

 

五、地域社会の啓発に努める。

 

(一) 全校職員が心身障害児教育に対する正しい認識を持ち、共通理解に立って地域社会の啓発に当たれるよう研修を深める。

(二) 全校児童・生徒に障害児との交流等によって友愛の精神を育て、児童・生徒を通して全保護者が心身障害児に対する正しい理解を持つように指導する。

(三) 授業参観や作品展示会、学習発表会等を通して地域社会の理解と協力を得るよう努力する。

(四) 広報活動を活発にし、特殊教育に対する理解と共感を得ることができるように努める。

(五) 特殊教育研究諸団体及び各種親の会と密接な協力関係を保ち、特殊教育に関する地域社会の啓発を進める。

 

幼稚園教育

る。幼稚園教育をどのように充実させていくかは、今日の大きな課題でもある。

 

人間形成における幼児期の教育の重要性にかんがみ、社会の幼稚園教育に対する期待はいっそう高まってきている。幼稚園教育をどのように充実させていくかは、今日の大きな課題でもある。

この解決のためにも、次の諸点に努力し、教育の効果をいっそう高めることが望まれる。

 

一、幼児の心身の発達の程度や幼稚園の実情などを的確には握し、適正な教育課程を編成して実施する。

 

(一) 教育課程の意義を正しく理解し、指導計画との関連を明らかにする。

教育課程とは、学校教育の目的や目標を有効に達成するための教育内容を、幼児の心身の発達に応じ、組織し配列した学校における教育計画の全体である。

指導計画とは、具体的な指導のねらいや内容、指導の順序、方法等を定めた具体的計画である。

(二) 幼児同士の会話、活動の様子など日常の指導の中での観察を細やかにするとともに、両親との話し合いや諸検査の結果などから、幼児の個性や能力などの実態を的確には握する。

(三) 幼稚園の運動場や遊戯室の広さ、園舎内外で飼育栽培する動植物の種類と数量、利用可能な園具・教具などを、幼児の経験や活動とのかかわり合いから明確に捕ら、えておく。

(四) 幼稚園教育要領の内容を正しく理解するとともに、幼稚園教育指導書をじゅうぶん研究して、重点的な指導が進められるようにする。

(五) それぞれの幼稚園独自の教育目標を達成するのにふさわしい教育課程を編成する。

(六) 教育課程の実施に当たっては、季節や気候、自然や社会生活の変化などが、幼児に及ぼす影響を考慮し、長・短期の指導計画を作成して具体的に実践する。

 

二、交通の危険から身を守ることや、交通のきまりを身につけさせるために、指導の徹底を期する。

 

(一) 視聴覚的教材・教具を活用して、交通のきまりをわからせたり、交通安全教室や現場での指導を徹底するなどして、道路の正しい歩き方を身につけさせる。

 

 

 


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