教育福島0009号(1976年(S51)02月)-024page
(1) 複式学級学習指導計画例(県教育委員会編)を参考にし、自校の指導計画を整備する。
注) 国語、社会、算数、理科、音楽図画工作が発行されている。
(2) 単式学級と複式学級を合わせ持つ学校における指導計画の整備を図る。
(二) 複式用教科書(算数、理科、家庭)を積極的に活用し、同単元指導により学習効果をあげる。
(三) 自学自習の学習を意図し、学力とコミュニケーションの向上を図った指導過程を工夫する。
(1) 指導段階の設定のしかたを重視する。
(2) 直接指導をする内容を時間的配分から見て整理する。この際、基本事項は徹底して指導する。
(3) 間接指導の学習が主体的に学習されるよう指導の工夫をする。
(4) 間接指導時における学習形態、学習資料等に積極的な工夫をする、
○ ワークシート、学習指示プリントドリルカード、学習の手引きの位置づけ、内容の振り分け、集団思考への配慮等を合わせて検討する。
(四) 複式学級における学級の特質を押さえた学級経営計画を設定して実践的活動を進めるよう工夫する。
(1) 読解力、作文力の育成に特に配慮する。
(2) 固定化された人間関係を打破しよき協力者、よきリーダーのチャンスを与える。
三、視聴覚教材教具を積極的に活用し、児童一生徒の学習経験の拡大と個別学習の徹底を図る。
(一) 学習に興味と意欲を持たせ、児童・生徒の学習経験の拡大を図るための機器の活用を工夫する。
(1) ラジオ、スライド、映画、テレビ等を指導過程に位置づける。
(2) OHPについて教師と児童・生徒の適切な活用を工夫する。
(二) 個別学習のための機器の活用を図る、
(1) シート式磁気録音機、テープコーダ、その他を児童・生徒が自主的に活用できるよう工夫する。
(三) 教育機器が手軽に活用できるよう工夫する。
(1) 地区、校内等の研修の機会を設け、各教育機器の操作に慣れるようにする。
(2) 教育機器の活用の便を図るために、機器や電源等の整備に努める、
(四) 児童・生徒の作品を他校と交換したり、研究資料等の交流を図り、視野を広めるように努める。
(五) 校内のスペースを活用して掲示物等の展示に意を配り、児童・生徒の自主的活動によって運営されるように指導のあり方を工夫する。
(六) 資料や教育機器の散逸や不整備をなくすため、校内の保管・管理体制を整え、活用の便を図り、資料等の累積を積極的に進める。
特殊教育
特殊教育の拡充に伴い、対象児童・生徒の障害や程度が多様化し、就学指導や教育課程の編成、学級経営等がいっそう困難になりつつある。
今後、特殊教育の充実、振興を図るためには、全校職員が共通理解に立ち障害種別に応じて特殊学級の性格を明確にし、次の事項について努力することが望まれる。
一、適正な就学指導を推進する。
(一) 各学校における心身障害児の就学指導組織を校務分掌上の組織として明確に位置づけ、全校職員が協力して適正な就学指導を進める。
(二) 市町村の就学指導委員会、県判別就学指導会議、その他の関係機関と有機的関連を図り、その助言を受けて望ましい特殊学級を編制するとともに適正な就学指導を進める。
(三) 全教員の心身障害児に関する知識や調査、検査、診断の技術向上を図るため、校内研修を充実する。
(四) 心身障害児童・生徒の保護者との教育相談に当たっては、お互いに情報交換しながら、障害児を正しく理解し、協力して適切な教育措置を発見するという態度で話し合い、保護者の納得を得るように努める。
二、特殊学級の実態に即した運営を工夫する。
(一) 障害児童・生徒と普通児の統合、分離の必要性をじゅうぶん検討の上適切な交流のしかたを工夫する。
(二) 交流を実施するに当たっては、障害児と普通児が対等の人格として平等に扱われるよう普通学級の諸条件を整えるように努める。
(三) 特殊学級担任は、交流に当たって各障害児童・生徒の理解、指導上の留意事項等の情報を普通学級担任に提供するように努める。
三、障害の種別・程度に応じた教育課程の編成に努める。
(一) 特殊教育諸学校学習指導要領を参考にし、障害の実態に即した教育課程を編成する。
生活科、道徳、養護・訓練については、学級と個々の児童・生徒の実態を考慮し、適切な方途を講ずる。
(二) 指導計画は、学級の実態に即して合科・統合の指導形態、教科別・領域別指導形態を適切に組み合わせて