教育福島0010号(1976年(S51)04月)-015page
このように、児童福祉施設及び病院の児童・生徒に対しても、教育の機会が拡充されてきている。
(3) 向上する就学率
特殊教育の就学率は、年々あがってきており、特に昭和五十年には飛躍的な上昇を示している。
これは就学指導体制の整備による就学猶予・免除児の減少によるものと考えられる。
(4) 整備が進む施設の状況
特殊教育諸学校の建物保有状況を必要面積に対する保有面積の割合でみると、昭和五十年度において校舎七四・七%、体育館五七・七%、寄宿舎二二五・一%である。
これを昭和四十八年度と比べると、校舎丁二倍、寄宿舎一・四倍となっており、寄宿舎はほぼ充足され、校舎については年々整備されてきている。
体育館は、盲学校がろう学校と共用しているために必要面積に対する保有面積の割合が低くなっている。
(5) まだ不足している設備
理科教育振興法に基づく理科設備の充実率をみると、盲・ろう学校で五八%、養護学校で三三%となっている。これを全体でみると四七%となるから基準総額の半分を充足しているといえよう。
次に、算数・数学教育の設備状況をみると、理科設備の場合に比べ、その充足率は低く、盲・ろう学校全体で二八%、養護学校全体で一四%となっているにすぎない。したがって、郡山養護学校を除き、開校の日も浅いことにもよるが、本県の特殊教育諸学校の理科教育振興法による理科、算数・数学の特別設備等の充実状況は、低い位置にあるといえる。
六、社会教育
(1) 家庭教育
近年、家庭における教育機能の低下が指摘され、家庭教育の振興充実が大きな課題となっている。本県においては家庭教育学級の育成に努めてきたが(後掲表−26参照)昭和五十年度から乳幼児を持つ親を対象に乳幼児学級を開設している。昭和五十年度は、三十一市町村に三十四の乳幼児学級が開設され、千六百二十七人が受講している。
また家庭教育(幼児期)相談事業が昭和四十七年度から三歳児(第一子)を持つ両親を対象として実施されており昭和四十九年度は次のような事業を行った。
1)、はがき通信 年間十一回(一万二千人の三歳児を持つ親)
2)、巡回相談 県内二十六か所
3)、テレビ放映 年間三十回「小さな世界」を放映
このうち、「はがき通信」の質問内容をみると、「こころ」に関するものが半数を占め、ついで「からだ」に関
表−21 昭和50年度施設内特殊学級の現状
(備考)「高校教育調査」(昭50)による。
図−21 特殊教育諸学校の就学率の推移
(備考)
1、「学校統計要覧」(各年度)による。
2、昭和49年度の実態調査の出現率を基礎として算出
表−22 昭和50年度病院内特殊学級の現状
(備考)「高校教育調査」(昭50)による。
図−22 特殊学級の就学率の推移