教育福島0013号(1976年(S51)08月)-006page
特殊教育の振興
(福島養護学校)
昭和五十一年度の重点施策
国民は、すべてその能力特性に応じて等しく教育を受ける権利をもつものであり、特殊教育は、とりもなおさず憲法及び教育基本法に示された人間尊重、教育の機会均等の理想を具現するものとして、重要な役割を果たすものであります。
県教育委員会としては、このような理念に基づき、毎年重点施策として「特殊教育の拡充」をとりあげてきております。
昭和五十年度より、高等学校教育課に特殊教育係を新設し、教育行政一本化による特殊教育の振興と、昭和五十四年度からの養護学校義務制施行 への諸計画立案を中心に、努力してきているところであります。
また、昭和五十年七月二十八日付けをもって、福島県後期中等教育審議会に対して「福島県公立養護学校の適正配置について」を諮問しました。同審議会は、問題の重要性にかんがみ、特に、特殊教育についての学識経験者並びに医師、施設の長、特殊教育学校長を専門調査員として委嘱し、慎重に審議を重ね、その答申書が去る三月九日に提出されました。
この答申の具現化のために、昭和五十年度に引き続き、保護者をはじめ各界の代表による「公立養護学校拡充整備準備会議」を組織し、各方面の意見をじゅうぶんとり入れて、特殊教育の拡充整備に当たる考えであります。
ア、養護学校義務制施行準備の一環として、病院内特殊学級(国立郡山病院、国立翠ケ丘療養所)を県立養護学校に移管し、教育条件の整備を図る。
イ、市町村における在宅心身障害児巡回訪問指導員を増員し、巡回訪問指導の拡充を図る。
ウ、県心身障害児判別・就学指導会議の活動を充実させ、市町村における就学指導体制の確立を図る。
エ、小中学校特殊学級・特殊教育諸学校教育の資質の向上を図るため、長期・短期の研修派遣を行い、あわせて県内における各種研修会・講習会等を実施する。
オ、小中学校特殊学級を新増設し、心身障害児教育の推進を図る。
カ、聾学校における幼児教育の充実を図るため、実態に基づく指導法の改善研究に努力する。
キ、特殊教育諸学校の施設設備を充実する。
ク、聾学校高等部に普通科を設置し、聾教育の充実を図る。
ケ、盲学校に、新学習指導要領に基づく専攻科を学年進行で設置し、盲教育の充実を図る。
心身障害児童生徒に対する教育的措置状況
(1) 小中学校特殊学級