教育福島0016号(1976年(S51)11月)-019page
=児童生徒の災害の現状と課題=
1、はじめに
学校では、教育活動中や休憩時間中などに児童生徒のけがや病気が数多く起こっているが、日本学校安全会の給付の実績をみると、学校の管理下における児童生徒の災害は年々増加の傾向を続けている。
この給付件数の増加は、安全会制度の普及や権利意識の向上、給付内容の拡大等、種々の要因が関係していると考えられるが、災害発生件数が伸びていることは明らかであり、学校運営上大きな問題を投げかけている。
このような災害増加の原因は、詳細な分析を経なければ解明されないが、ここでは、日本学校安全会福島県支部の給付状況に基いて、本県における児童生徒の学校管理下の災害の実態と傾向を述べるとともに、今後の課題にふれてみたい。
2、災害件数の推移
給付件数は、先にも述べたとおり年年増加の傾向を続けているが、その状況は表30のとおりである。
すなわち、安全会発足当初の昭和三十五年度には六千三百件であったものが、昭和三十九年度には八千七百件となり、昭和五十年度には一万三千件に達している。
なお、学校種別ごとの給付件数の推移は図14に見るとおり、各学校種別ともほぼ同傾向の増加を続けている。
この給付件数の増加は、各種の原
(表28)状態別被害状況
(表29)通行目的別被害状況
(表30)昭和35年度以降の給付件数
給付率の推移(福島県)
(注)給付率とは,加入者100人当り給付件数であり,次式によって算出したもの
給付率=給付件数/加入者数×100(%)